クリスチャン都道府県人会主催の福島クリスチャン県人会初顔合わせが3月28日、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)で開かれた。
クリスチャン都道府県人会は、2012年に発足した、ふるさとを愛するクリスチャンのネットワーク。福島県人会は、郡山グレースガーデンチャペル(福島県郡山市)の三箇義生(さんが・よしお)牧師がプロジェクト・マネージャーをする、福島ミッションセンターの協力と呼び掛けで発足されることになった。福島ミッションセンターは、2013年9月28日、29日に郡山市で開催された「Hope Fukushima 2013 with ウィル・グラハム」の実行委員が母体となっている、福島県内にある70の教会の協力伝道団体だ。
第一部では、被災3県を愛する集会が持たれ、宮城県出身のゴスペルシンガーソングライター竹下静さんが、ミニコンサートを行った。仙台・石巻で育った竹下さんは、ふるさとの人々に神の希望を届けようと、ボランティアで仮設住宅を回り、コンサートを開いている。この日は、自身のテーマソングともいえる賛美歌「うたいつつあゆまん」、黒人霊歌として世界で親しまれている「ディープリバー」、オリジナルソング「Rely on Jesus」を、祈りを込めて歌った。「神様なんていないのではないかと思えるほどにつらい出来事が人生の中で起こっても、涙を喜びに変えてくださる神様に全てを委ねて、その腕の中に飛び込んでいきたい」とメッセージした。
また、クリスチャン都道府県人会代表の長谷川与志充牧師(東京JCF、三浦綾子読書会顧問)が、福島県人会設立にあたって祝福のメッセージを語った。
「福島という県は、被災3県の中でも、これからの現状が見えていない危機的な状態にある。そんな県を愛する交わりが新しくスタートすることが感謝でならない。エレミヤ書29章11節は大変有名なみことばだが、これは、イスラエルの歴史の中でも、最悪な状態にある人たちに向けて語られている。普通の状況にはない人々のために用意された計画が、災いではなく、希望と平安であると神は約束している。神は必ず福島に素晴らしいみわざをなしてくださる、このことを信じて歩んでいきたい」
「私たちがどんなであろうと神のみわざは現れるが、ヨハネの福音書9章の盲人のように、みことばに聞き従う姿勢を大切にしたい。バビロン捕囚から解放されたイスラエルが、祭司エズラの語ったみことばによって本当の復興を果たしたように、ネヘミヤの切なる祈りによって復興のわざがもたらされたように、そして、命がけでユダヤ人を救ったエステルを覚えて、県人会の働きに期待したい」
福島ミッションセンターの三箇牧師は、震災後の県内の教会に変化が起きていると話す。以前は1年に数回ほどしか交わりがなく、隣の教会で何をしているのか分からないような状態だったが、震災を通して教会間の壁を乗り越えられた実感があるという。今では、1カ月に数回集まって超教派の働きを進めている。
また、県外の人々だけではなく、世界中の人々が訪れ、交わりの輪が大きく広がったという。なぜ壁を越えられたのか。その答えは「愛」だという。愛の反対は無関心だというが、ルカの福音書10章30~37節に登場する善きサマリヤ人に倣って、助けを必要とする人々に関心を持ち、手を差し伸ばし、愛の行為を向ける。被災地での教会の働きが大きいと感じる今、天のふるさとに帰る時まで、この地上のふるさとに仕えていきたい、と語った。
集まった20人以上の人たちは、小グループに分かれて、それぞれのふるさと、家族、地域教会のため、また各地域の都道府県人会のために祈る時を持った。
第二部は、福島銘菓を囲んで、懇親会が開かれた。福島県出身者は全体の5分の1ほどだったが、自己紹介をしてから、今後の活動に対する意見交換を行った。喜多方、会津、玉川村など、福島といっても出身はさまざま。また、ふるさとを離れて何十年も経った人、現在でも頻繁な行き来がある人、状況は人によって異なる。ウェブサイトの立ち上げ、会の規約整備、機関誌の発行、交流会の開催など、三箇牧師を通してこれからの目標が共有された。
福島県出身のクリスチャンは、東京にたくさんいるはずだが、実際どこにいるのか把握できていない現状がある。そこで、まずはメンバー募集の呼び掛けを積極的に行っていく必要があることが確認された。ゆっくりと気を楽にして交わりを深めていこうと、希望を抱いてのスタートとなった。
福島県人会は当面、事務局を福島ミッションセンター(郡山グレースガーデンチャペル内)に置き、フェイスブック上のグループ「福島クリスチャン県人会」などで入会者を募り、交流を広げていく。
詳細・問い合わせは、福島ミッションセンター(電話:024・943・7091、メール: [email protected])まで。