アルファ・ジャパン主催の「ワンディ・アルファ・カンファレンス in 関東」が21日、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団十条キリスト教会(東京都北区)で開催された。アルファ未体験者やこれからスタートしたい人はもちろんのこと、すでにアルファを継続的に開催している人にとっても、アルファについてより深く知る機会となった。
アルファは、英国のホーリー・トリニティー・ブロンプトン教会で生まれた伝道的キリスト教プログラム「アルファ」。現在、世界169カ国で用いられ、約2千万人を超える人が体験しているという。日本においても、2000年にアルファ・ジャパンが立ち上がり、2002年からカンファレンスがスタートした。
この日のカンファレンスの講師は、アルファ・ジャパン代表の永井信義氏と同副代表の北秀樹氏。「アルファとは?」から始まり、アルファが原則とする伝道の考え方や実際にアルファで行うこと、また招く側のケアに至るまで、聖書を通して実例も紹介しながら、時にはユーモアを交えて詳しく説明した。
アルファは、週1回10週間で行われるキリスト教の入門コース。どんな人が来てもまず受け入れ、話に耳を傾けることから始まるアルファ。キリスト教に対して批判的なことを言う人であってもそのまま受け入れ、ゲストが「自分は愛されている」と感じてもらえるようにすることが求められる。そのためアルファでは、リラックスした雰囲気作りのため一緒に食事をすることから始める。
また、アルファの特徴の一つは、スモール・グループでの交わり。「ディスカッション(議論)」ではなく「チャット(雑談)」という言葉を使うなど、堅苦しい雰囲気にならないようにしているという。ここで大切になるのは、スモール・グループのリーダーの役割だ。リーダーの導き一つで、グループは台無しになってしまうこともある。そのため、アルファが始まる前にはどんなに慣れた人が携わることになっても、チームのトレーニングを必ずするという。
さまざまなタイプのスタイルがあるのもアルファの特徴だ。今回会場となった十条キリスト教会では、中高生のためのユース・アルファが、今ちょうど行われているところだ。通常の日曜学校の時間を使って、2月から春休みを挟んで行われ、5週間目には、教会堂の中にテントを張ってキャンプを楽しんだという。
この日もユース・アルファに参加しているという、中学生と高校生の男子生徒が出席。感想を聞いてみると、ご飯があるのがいい、子ども同士でのおしゃべりが楽しいと語った。また、ユース・アルファに初めて参加する人も増えており、自分自身の心構えが変わったと話した。
最後に、アルファでのミニストリー(=祈りの奉仕)についても話された。アルファでは、祈りの奉仕に立つことが求められる。祈りは聖霊によってなされるものであるから、まず聖霊を求める祈りが大切だという。そして、聖書の御言葉を用いて祈ること。御言葉をもって祈り始めれば、御言葉をもって返ってくるという。
永井氏は、祈る人を思いやることの重要さを強調した。私たちがすべきことは、祈りを無理強いするのではなく、相手にどのように祈るかを伝え、神様の約束を信頼するように励ますこと。そして、「あなたのためにいつでもお祈りする用意がありますよ」と言えることだと、祈りについて語った。
参加者からは、10週間のプログラムが終わったあとでも、なかなか礼拝につながらないという意見が出た。それに対して永井氏は、「礼拝へ」と言った瞬間に「結局は教会に来てほしいんだな」という印象を与えてしまうとし、原則として勧誘を感じさせることはしない。しかし、勧めなくても、礼拝に来る人はおり、クリスマス礼拝だけに来る場合もある。あるいは、どこか別の教会につながることもあると話した。
また、アルファが終わったあとの関係づくりにも意見が出た。アルファに代わる何か別の集まりができないかなど、10週間のプログラムのあと、そのまま終わりにしてしまうのは残念だという声もあった。そのためには、教会の小グループの交わりなどに結び付けていくなどの方策があるが、それもアルファで真実な関係が形作られていくことが鍵だという。
アルファをそれぞれの教会で取り入れるとき、アルファ・ジャパンに登録する必要はない。ただしアルファ・ジャパンでは、外部の人からどこの教会でアルファをやっているかと問い合わせがあるため、アルファを行う場合は連絡してほしいと話している。
アルファについての詳細は、アルファ・ジャパンの公式サイトで。