福音伝道者のフランクリン・グラハム氏は、過激派組織「イスラム国」(IS)系の武装グループがコプト正教会信者21人を斬首した動画を公開したことを受けてコメントを発表し、バラク・オバマ米大統領の対応が「イスラム教を保護し続けている」と批判した。また人々に対し、仮にキリスト教徒がイスラム教徒を斬首した場合の「抗議を想像してみるよう」求めた。
北アフリカのリビアで活動する武装グループが、「十字架の国へのメッセージ」と題する斬首動画を公開したことを受け、グラハム氏は17日、自身のフェイスブックにコメントを投稿。「21人のイスラム教徒がキリスト教徒によって斬首されたときの抗議の声を想像できますか? 世界中のイスラム教の指導者からの糾弾はどこにありますか? 21人の殉教者の家族と共に嘆き悲しみます。また、この恐ろしい行いが、欧州と米国でのみ広がるという警告を深刻に受け止めたほうがいいでしょう」と語った。
一方、他の投稿でグラハム氏は、オバマ大統領が「真実を知らせること」と、「イスラム過激派をそのようなものと捉えること」を拒否していると批判。斬首動画を受けて出されたホワイトハウスの声明では、犠牲者たちは「エジプトの市民」とだけ書かれており、キリスト教徒であることには触れられていなかったと指摘した。
「真実は、この野蛮な殺人者たちが、犠牲者たちを『十字架の民』だから殺したと公言したことです。なぜ大統領はそれでもイスラム教を保護し続け、真理に目を開くことを拒否するのでしょうか」とグラハム氏は尋ねた。
家族研究評議会(FRC)のトニー・パーキンス代表も16日、オバマ大統領が殺されたエジプト人をキリスト教徒だと明らかにしなかったことについて、「困ったことだ」と糾弾した。
「ISはこの動画が、『十字架の民』の処刑だと明白に述べています。ISは何の苦もなく、『キリスト教徒』という言葉を使っていますが、ホワイトハウスはそれを苦に感じているようです」と、パーキンス氏は米フォックス・ニュースに語った。
保守的な立場を取るバプテスト派元牧師のマイク・ハッカビー前アーカンソー州知事もこれまで、オバマ大統領は「絶えることのない支援」をイスラム教徒に対し行っているなどと述べ、批判していた。
グラハム氏はまた別の投稿で、「これらのことは、黙示録に書かれた終わりの日へと急ぐ彼らの究極的な目的と完全に合致している」と言い、「ISの悪行」によってキリスト教徒はショックを受けるべきではないと述べた。
「神の御言葉は、ある日、最後の戦いが起き、悪魔とそれに連なる者たちは皆打ち負かされると述べています」とグラハム氏。「ある一つのことが確実に起きるのです。いつか全てのひざはかがみ、全ての舌がイエス・キリストが主であること、また父なる神に栄光があるよう告白する日が来るのです」と語った。