ローマ教皇フランシスコは17日、過激派組織「イスラム国」(IS)系のリビアの武装グループが、21人のエジプト人キリスト教徒を斬首したことを公に糾弾した。
「彼らが、カトリックであろうと、正教会であろうと、コプト正教会であろうと、ルーテル派であろうと、それはどうでもいいのです。彼らはキリスト教徒で、その血はみな同じであり、彼らの血がキリストへの信仰を告白しています」
教皇は声明でこう述べ、「きょう私は、21人か22人のコプト正教のキリスト教徒が殺害された記事を読みました。彼らのただ一つの言葉は、『イエス様、助けてください』だったことでしょう。ただ、キリスト教徒であることを理由として殺害されたのです。キリスト教徒の兄弟姉妹の血は、叫び声を上げる証です」と語った。
リビアの武装グループは15日、昨年12月から今年1月にかけて拘束したキリスト教徒21人を斬首する動画を公開した。エジプト政府は、リビア領内にあるこのグループの本拠地を空爆するなどの報復を行い、中東地域からISの存在を消し去ることを約束した。
「(リビアの都市デルナで)これまでに8回の空爆が行われました」と、リビアの首相報道官モハメド・アザッザ氏は英BBCに話した。「計画では、全てのISの所在地を、それがどこにあろうとも標的としています」
米CNNによると、軍用機がデルナにある10の拠点を攻撃し、武装グループを撲滅するという全体的計画に寄与したという。
「エジプト国民の血に報復し、犯罪者と殺人者に刑罰を与えるのは、私たちの権利であり、義務です」と、エジプト軍は国営テレビで声明を発表した。
バラク・オバマ米大統領もこの殺害を糾弾する声明を発表し、「見下げ果てた卑劣な殺人」と非難した。
「私たちはリビア国民に、ISとテロリズムの全ての行いを強く拒絶し、この共有され、大きくなりつつある脅威に直面し一致するよう呼び掛けます」とオバマ大統領。「私たちは、リビアにおいて統一政府の成立と政治的解決を促進する、国連事務総長特別代表室のベルナルディーノ・レオン全権公使の尽力を強く支援します」と語った。