米北東部のペンシルベニア州フィラデルフィアのマイケル・ナッター市長と米国聖書協会のロイ・ピーターソン会長兼CEOは28日、記者会見を開き、同国で最初かつ最も息の長い非営利団体の一つである米国聖書協会が、その本部を米国で最も歴史的な区画であるとしばしば言われるフィラデルフィアの歴史的中心地に移転させると発表した。
同協会は、「歴史的な奉仕が歴史的なフィラデルフィアに新たな故郷を作る」とし、「米国聖書協会の創立者の都市は奉仕の未来の都市だ」と述べている。
今回の移転は、ニューヨークで200年近く構えていた本部を昨年3月に売却したのを受けたもの。同協会は2016年に創立200周年を迎える。
「私たちは第三世紀目の奉仕を、ここフィラデルフィアの本部で始めることに興奮している」とピーターソン会長は語った。「新しい国としての米国にとって、初めて希望の故郷であったフィラデルフィアは、今や米国聖書協会にとってとても明るい未来の故郷である」
ピーターソン会長は、この都市が選ばれた理由にはいくつかの要素があり、それは戦略的協働の機会、費用負担の可能性、そして居住性だと述べた。偶然にも、同協会の創立者の一人で初代会長でもあるエリアス・ボウディノット氏は、フィラデルフィア出身であった。
新しい米国聖書協会の本部は、フィラデルフィアの歴史的地区の401マーケット通りに位置することになる。オフィスは、ビルの8階と9階で10万フィート四方近くにもわたる。加えて、同協会は中央広場の階の会議所や希少聖書倉庫、学術図書室と共に、1階に聖書発見センターを創設することを提案した。新しい聖書発見センターは、インディペンデンス・モールの中心地である5番街のすぐ近くとなり、この歴史的な地域に新たな次元を加え、同協会ならではの固有の米国に関する物語を伝えることになる。
「フィラデルフィアは企業や非営利団体が暖かく受け入れられる場所だ」とナッター市長は言う。「フィラデルフィア市を代表して、私たちは米国聖書協会をその新しい故郷に迎え入れることを光栄に思う」と、同協会の移転を歓迎した。
同協会は、この夏にその新しいオフィスを開所できると見込んでおり、2016年には聖書発見センターを開所できるよう模索している。
「200年間、米国聖書協会はとても必要なところに聖書を届けるために活動してきた。それは全ての人々が人生を変えるそのメッセージを体験することができるようにするためだ」とピーターソン会長は述べた。また、「私たちは1億人の米国人に神の御言葉に関わってもらい、世界の諸言語の100パーセントを聖書との関わりに開かれたものとするという目標に向けて活動するにあたって、私たちの新しいフィラデルフィア本部は米国と世界中における聖書の奉仕活動のための発射台となるだろう」と語った。
なお、同協会の広報担当主任ジェフ・モリン氏は昨年3月27日、同協会は何年もの間移転を検討していたが、「必要な建物の改修費用とこの地域の市場価値の高騰により、この1年で特にその決断が早集まった」と、米クリスチャンポスト紙に伝えていた。