米国聖書協会(ABS)の図書館が今年で創立190周年を迎えたのを記念して、歴史的価値の高い貴重な聖書を展示する特別展示会が16日から、ニューヨークの同協会で始まった。米国聖書協会が初めて刊行した聖書をはじめ、大陸会議の議長(1782‐83)も務め、米国聖書協会の初代会長であったエリアス・ブーディノット、ニューヨーク歴史協会の創設者であるジョン・ピンタード、米国国歌「星条旗」の作曲者フランシスコ・スコット・キーが寄贈した聖書などが展示されている。
展示されるのは9点。そのうち2点はABSが初めて刊行した聖書で、英語で書かれたものと、米国先住民、特に東部で中心的に用いられたデラウェア語のものが展示されている。
「これらの書物から我々は、米国聖書協会の創設者たちが持っていた歴史に対するビジョンを知ることができる」と関係者は話す。また、「我々が現在、2400以上の言語の初版聖書を有することができたのは、彼らの持っていたビジョンによるものだ」と、ABS創設のために尽力した偉人たちの功績を称えた。
同図書館は、聖書の御言葉が活字として普及する歴史を記録していこうと、1816年に創立された。現在、2400以上の言語・方言で書かれた聖書が4万5千冊以上保管されており、保存されている写本は13世紀のものにまで遡ることができる。
世界的に見ても歴史的価値の高い聖書が多く保管されており、西半球最大の聖書図書館として知られている。これまで、聖書学者や言語学者、翻訳家、歴史学者など多くの専門家に用いられてきた。
同展示会は、2カ月間開催される。