グレン氏は、コンパッション・インターナショナルが寄付された額のほとんど全てをきちんと支援のために使ったと考えている。「私たちは、最も必要なところで緊急のニーズに対応してきました」と、グレン氏はクリスチャンポストに語った。
2011年、非営利の慈善事業評価団体「ギブウェル」は、この荒廃した半島を支援するため、2010年の間に大小さまざまな慈善団体に対し50億ドル(約5966億円)以上の寄付がなされたと見積もった。それでも、ハイチの人々が苦しみ続けているという報道によって、どれだけの慈善団体がハイチへの救援資金を実際に現地で分配しているか詳細に調査されるようになった。
災害から数日後、米ニューヨーク・タイムズ紙は孤立した地域で家を失った人たちがいまだ食糧と水を待っていると報じた。ギブウェルは2011年、何十億ドルもの寄付が行われたものの、「状況はなお悲惨である」と伝えた。2014年1月、経済政策研究センターのジェイク・ジョンソン氏は、米国際開発庁(USAID)に対し約束した幾千軒もの家屋や産業の再建が進んでいないことを強く訴えた。
今月になってジョンソン氏は米NBCニュースに、「ハイチの公衆産業をよりよく建て直し変貌させることを期待していたのかという問いに『はい』と答えるなら、それはどの見地から見ても失敗だと言えます」と語った。
資源不足、ハイチの悪路、そして援助物資を受け取る拠点となりうる空港が一つしかないことが、多くの慈善団体の目標到達を妨害している。
グレン氏はクリスチャンポストに、コンパッション・インターナショナルはこれらの困難に対処するため、ハイチに現存しているインフラと、隣接のドミニカ共和国の協力を得て活動したと述べた。
コンパッション・インターナショナルはドミニカ共和国にある提携教会に物資の一部を備蓄し、そこから被災したハイチの提携教会に物資を輸送した。ハイチに物資が到着すると、コンパッション・インターナショナルは現地の教会の指導者とボランティアに、食糧や他の救援物資を分配させた。
グレン氏は、「私たちは教会を、地域の教会として地位を高めたのです」と話す。
コンパッション・インターナショナルはまた、地域の小規模ビジネスのための少額ローンを創設するのに、自らのネットワークを利用した。このプログラムは、コンパッション・インターナショナルが支援する子どもたちの家族のみが利用可能で、452の新しいローカルビジネスに対し800件以上のローンを分配した。
学校建設での紆余曲折にもかかわらず、ムーア氏は「私たちは5年前に設定した目標を、実質的には達成しています。すばらしい支援者のみなさんがハイチの災害への応答として寄付してくださったお金は、当初私たちが語った通りに使われる予定で、何千人もの多くの人々の生活に影響を与えています」と述べた。
そして、「私はここにいる全てのスタッフ、支援者、そしてコンパッション・インターナショナルを愛してくださる全ての方が、私たちの成し遂げたことに強く誇りを持つことができると考えています」と結んだ。
■ ハイチ地震から5年:(1)(2)