伝道賛美家・おしゃべり賛美家の菅原早樹さんの3rdアルバム『Eternal Joy(エターナル・ジョイ)』が、25日にニューリリースされる。今回のアルバムのテーマは「喜び」。菅原さん自身の「信仰の証し」がテーマになっているという。
「丘に立てる荒削りの」「幸い薄く見ゆる日に」「善き力に我囲まれ」などの聖歌・賛美歌をベースに、12曲が収められている。100年単位で歌い継がれてきた楽曲には、そのものに力が感じられると話す菅原さん。それと同時に、岩渕まことさんが作曲した「すべてが変わる」などの新しい楽曲も取り入れられている。オーソドックスな賛美を好む世代の人たちには新しい賛美を、若い世代にはオーソドックスな賛美を聞いてほしいという、菅原さんの願いが一枚に詰まったCDだ。
また、今回初めて菅原さんのオリジナル賛美「主イエスの愛と恵みによって」が収録された。ある有名なメロディーの曲を教会でも歌えるようにと、菅原さんが付けた歌詞が、このオリジナル曲の原型。しかし、替え歌のままで歌うのは、ということで、今度は曲を考えて付けたところ、オリジナルの曲が生まれた。どちらかというと、オーソドックスな雰囲気に近い感じの曲に仕上がったが、創作能力に自信がないという菅原さんにとっては、この曲が驚くほどにするすると出来上がったことが不思議でならないという。
「これは、本当に特別に神様が与えてくださったもので、一曲できたから次々とできるかというと、そういう感じではないのです。また、時が来れば新しい賛美ができるかもしれないし、二度とできないかもしれない、そんな感じです」と、菅原さんは証しする。
最初はこの曲を収録するつもりは全然なかったというが、アルバムのテーマと歌詞がぴったりだということに気がつき、ナンバーに加えた。
菅原さんの父親は、落語家の2代目露の五郎兵衛さん(1932〜2009、上方落語協会会長、紫綬褒章・旭日小綬章受章)で、双子の姉は福音落語家の露のききょうさんという、噺家(はなしか)一家。自身もその血を受け継いでいると考えており、「歌手」というより「語り部」だと自覚しているという。
「そういう意味で『歌』は神様が私に与えてくださった道具のようなものだと思うのです。実は私自身、自分は特別歌がうまいと思ったことは一度もありません。確かに賜物を与えていただいているということはあると思いますが、私程度に歌える方はたくさんおられると思います。ただ、正直にいって私にとって他の方と大きく違う賜物があるとすれば、父親が落語家だったということだと思うのです」
最初は「福音歌手」という肩書が思い浮かんだが、なんだかしっくりとこなかった。姉に相談したところ、「落語家の娘だから『賛美家』というのはどう?」と提案を受けた。
ご主人が牧師を努める、単立・西宮北口聖書集会(兵庫県)で伝道者としての働きもしているため、「伝道賛美家」と名乗ることになった。それと合わせて、クリスチャンではない人にも受け入れられやすいものをと考え、「おしゃべり賛美家」と名乗るようになったという。
実際、菅原さんのコンサートは、証を交えたおしゃべりの時間がかなり長くとられている。このおしゃべりの評判が上々で、「賛美も良かったけれどお話が良かった」「お話がもっと聞きたかった」という声もしばしば。「複雑な心境ですね」と気遣ってくれる人もいるというが、菅原さんは嬉しく思っている。
「やっぱり私は『歌手』というより『おしゃべり賛美家』なんだな、とつくづく思います。私にとって歌うことと話すことの間にはそれほど大きな違いはありません。ただ、おしゃべりの中で言えないことが歌の中で伝えられるということもあるし、歌の世界にないことはおしゃべりする、という具合です。ただ歌もおしゃべりも、まだまだ磨いていかなくちゃ、という気持ちは大きいです。その辺は『生涯未完成』を掲げていた父から影響を受けている部分は大きいと思います」
3rdアルバム『Eternal Joy』発売に関する詳細・問い合わせは、菅原早樹さん(電話:0798・64・8150、申し込みフォーム)まで。