2014年が終わりに近づくにあたって、ジェフ・タニクリフ博士は世界福音同盟(WEA)の総裁兼総主事として仕えた10年の任期を終える。タニクリフ総主事の多大な貢献をたたえようと、WEAはニューヨークで送別の晩餐会を開き、同総主事とその家族に感謝の意を表し、今後の歩みを祝福した。WEAが22日、公式サイトで伝えた。
晩餐会では、WEA国際協議会の議員や、WEAの指導者及び職員、また各国福音同盟の代表者や協力者、さらにその友人や家族らが、これまでの思い出や証し、そして祈りを分かち合った。その場に居合わせることができなかった人たちも、ビデオメッセージで別れの言葉を送った。
過去10年間に成し遂げられた多くの事柄の中でとりわけ指摘されたのは、タニクリフ総主事の指導の下で、組織存続も危ぶまれるほど非常に困難な状況にあったWEAを導き出しただけでなく、WEAが世界三大教会組織の一つとして確立され、認知されるようになったことである。今日、WEAは各国政府や国連、メディア、他の世界的な信仰団体に対して、6億人の福音派を代表する存在となっている。
世界の福音派の群れに仕えるために、タニクリフ総主事は、多くの指導者たちをWEAの中へと引き込み、これらの人々が自らの専門能力や技能で貢献できるようにした。晩餐会では、スピーチした幾人もが、同総主事の「信じがたい対人能力」を称賛した。ジョエル・エドワーズ牧師は、この点について出席者たちにこう問い掛けた。「皆さんのうちの何人が、WEAの中へと『タニクリフ化』されたことがありますか?」
タニクリフ総主事の頻繁な出張旅行は、同総主事の家族にとって大きな犠牲を意味した。総主事の娘であるナターシャ・タニクリフさんは、家族を代表して証しを伝え、自分の父親の奉仕に対する称賛や尊敬を表した。父親が何週間も離れることが常にあったことは容易なことではなかったとはいえ、ナターシャさんは神の召命に対する父の従順さと奉仕の心に、深く感動し感銘を受けてきた。
WEA国際協議会のジョン・O・スミス牧師は、タニクリフ総主事の「地球市民」の心構えを覚えて、水晶の地球儀を贈呈した。その地球儀にはこんな言葉が彫られていた。「神がこよなく愛した世界の忠実な僕(しもべ)であるジェフへ」
タニクリフ総主事は最後の演説で、この10年間が「私の人生で最も報われた、そして謙虚な気持ちにさせる経験」だったと語った。自身がWEAの代表を務めた間、寄り添い、支え、そして課題を投げ掛けてくれた多くの人たちに、深い感謝の意を表した。
また、WEAの将来に対して非常に大きな希望を抱いており、その使命のために生涯にわたる擁護者であり続けるつもりだと述べ、こう語った。「キリスト教の一致を築き、教会が協働して塩となり、私たちの世の光となるのを助けようとするこの共同体の必要性を、私はこれまで以上に確信している」。さらに、WEAの国際協議会や理事会、職員に言及し、こうも付け加えた。「近い将来に新しい総主事がやってくるのに備えている私たちの同盟は、安泰だと私は信じている」。
この夕べは、人生の新たな章に備えるタニクリフ総主事とその家族のための祈りと祝福で締めくくられた。
タニクリフ総主事は、2005年に第13代WEA総主事に選出され、5年任期の同職を2期連続で務めた。これはWEA史上最も長いものの一つ。2015年からは、いくつかのネットワークや組織、会社の世界的な戦略家ないし顧問としての役割を務めることになり、WEA在職期間の事柄をつづった本も執筆することになる。