「自分はまだ若い」と考えていますが、いつの間にか40歳を超え、人生の折り返し地点を過ぎました。
モーセの十戒で知られているモーセは、120歳の長寿を全うしました。しかしモーセは、「私たちの齢は70年、健やかであっても80年」とモーセ(仰せ)ました。人の平均寿命は今も昔も70~80歳なんですね。40歳生きたとしたら、その40年間はもう戻ってきません。だから、40年は死んだようなもの。平均寿命まで生きられたとしたら、あと私の人生は30~40年です。
年を重ねるということは、この地上で生きられる日が少なくなるということです。若い頃は、あんなに「早く大人になって、あれもしたい、これもしたい!」と考えていたのに、今では、「その時その時を大切に生きていこう!」と思うようになりました。年を重ねるごとに、「光陰矢の如し」と言われるように、時が経つのが早く感じられます。
教育を受けて、自立して社会に出るまでの時期を「第一の人生」と考えたら、私は今、「第二の人生」を生きていることになります。「第二の人生」で大切なことは、自分の使命を知った上で、やるべきことを行い、守るべきものを守ることです。もし、ぼーっと過ごしてしまったとしたら、「第三の人生」に入ったときに、「あの時、こうしておけば良かった!」、と後悔することになるだろうと思います。二度と戻ってこない今を真剣に生きていかなければなりません。
私が老いて「第三の人生」を生き始めたときには、また違う使命があります。「第二の人生」でできなかった残された仕事をし、生と死について深く考え、死ぬ準備をすることです。死ぬということは、最後に残された大きな仕事だからです。「第二の人生」では、社会的な地位が上がり、家族が増え、家を建てたり、財産が増え、持ち物が増える時期ですが、「第三の人生」では、得てきたものを失っていく時期です。そんな時をどうしたら楽しむことができるのでしょうか?
「第三の人生」では、「何を持つか?」ではなく、「どう生きるか?」が大切なのではないでしょうか。「まだまだ若い者には負けやしない!」という気概は必要ですが、それは「何を持つか?」の領域ではなく、「どう生きるか?」の領域です。今まで得てきたものを次の世代に受け継ぎ、祝福を流していくことです。老いることは、誰もが通る道のりです。決して憂えたり、悲しむことではありません。素晴らしいことであり、楽しむべきです。
私は、今から「第三の人生」に備え、さらに、死を見据えて生きていきたいと思います。そしてもちろん、死の向こう側にある「復活」と「永遠の命」と「天国」もです。日常の小さなことでくよくよしたり、悩んだりするほど時間にゆとりはありません。いつも今を精一杯、最高に生き、老いることも楽しんでいきたいものです。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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