「あの人には負けたくない」とライバル心を燃やして競う社会に生きながら、多くの人がその競争に疲れているのではないでしょうか。
人と競う以上、勝ち負けがはっきりします。勝ったとしても、「次は負けるかもしれない」という不安が付きまといます。負けたとしたら、「一体、いつになったら勝てるのか」と、敗北感とあせりを感じます。これでは、心が擦り切れてしまいます。
本当のライバルは、他人ではなく「過去のあなた」です。今日のあなたが、過去最高のあなただとしたら、あなたは間違いなく勝者です。もう他人と競うのをやめて、過去のあなたより少しでも成長し、人間性においても、スキルにおいても、実績においても豊かになれるように磨き続けたらいいのです。
完全燃焼して、「うまくいった」と思える日には喜び、「ちょっとうまくいかなかったな」と思う日には、自分を寛容に受け入れて、慰め、励まし、包んであげてください。競争原理から解放され、過去の自分より、より良い生き方を目指すという、競争原理を超えた競争に生きる人は、どんなときにも幸せです。晴れの日に感謝し、雨の日に傘をさして自分を励まし、いつも心が豊かです。そんな豊かな心を持った人は、他の人にも励ましや慰めを与えながら、エールを送れる人になるのです。
競争に疲れた人が多くいます。この社会の中で、あなたの存在が、多くの人の痛みを慰め、渇きを潤し、共に生きていくことができますように。
イエス様は、弟子のペテロに「わたしはあなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈った。それで、あなたが立ち直ったときには、兄弟たちを力づけてやりなさい」(ルカ22:32)と語りました。あなたのために祈っていて下さる方がいます。競争社会の中で、誰でも、疲れ、倒れ、立ち上がれなくなることがあります。しかし、あなたが立ち直ったら、多くの人を力づける人になれるのです。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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