「この病気さえなければ~」「あの人さえいなければ~」「借金さえなければ~」と、人生には思いどおりにいかないことがあるものです。そんな時、「これさえなければ幸せなのに!?」と考えてしまうことはないでしょうか。
しかし、そう考えている以上、幸せは永遠にあなたのところにやってきません。本当の幸せは、思いどおりにいくことではないからです。人生につらく悲しいことが起こるのは、そのただ中でより素晴らしい何かに出会うために起こるのです。
病気の時、聖書は「神様があなたの病気を癒やして下さる」と約束しています。これは間違いのない事実です。しかし、病気の癒やしには、他の種類の癒やしもあるのです。例えば、「徐々に病気が癒やされて、健康になる」という癒やし、また、「病気は癒やされないけれど、病気にならなかったよりも良い人生を生きられる」という癒やしです。
健康で五体満足なのに不平不満を並べて生きている人を、あなたも知っているのではないでしょうか。しかし、病気であり、体に障害を負いながらも、幸せに生きている人もいます。そういう人は多くはないけれど、確実にいます。
クリスチャン作家の三浦綾子さんは、生涯、病気と共に生きた人です。彼女は「病気は宝である」と言いました。クリスチャン詩人・画家の星野富弘さんは、「神様が健康な体に生まれ変わらせてくれるとしても、私はお断りします。なぜならば、今のままで十分幸せだからです」と言いました。
このお二人の話を聞いただけでも、「これさえなければ幸せなのに!?」という考えが間違っていることが分かります。むしろ、「これがあるから幸せ!」と、考え方を変えましょう。
マンガ『天才バカボン』の口ぐせに、「これでいいのだ!」というのがあります。「これさえなければ~」と思う出来事に対して、「これでいいのだ!」と語りかけてみてください。さらに、「これでいいのだ!」から、「これがいいのだ!」と言い換えてください。そして、最上レベルは「これが最高なのだ!」です。
これは、コペルニクス的転回です。天と地がひっくり返るような出来事です。あなたにとって「これさえなければ~」と思っていたものが、「これでいいのだ!」から「これがいいのだ!」になり、最後は「これが最高なのだ!」と逆転してしまうのですから。こうなれば、今まで幸せだった人は言うまでもありませんが、今まで「自分は不幸だ!」と思っていた人ほど、最高の幸せ者になれるのです。
「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています」(ローマ人への手紙8:28)
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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