オーストラリアのヒルソング教会共同創設者であるボビー・ヒューストン牧師は最近、キリスト教内でのさまざまな役割に女性を完全に受け入れていくとき、「教会は大人になって成長する必要がある」と語った。
「(このことは)良い質問ですが、ある人にとっては神学的な議論の争点となります。でも私たちにとって、そのことで議論するようなことは全くありませんでした」。今月16日、女性の指導者を力づけ、育成することについて尋ねられたボビー牧師は、このように答えた。
プロテスタントの各教派は、教団や教会によって、指導者の地位に女性を起用する姿勢はさまざまだ。例えば、米最大のプロテスタント教派である南部バプテスト連盟では、牧会職務やその他の教会職務は男性だけに制限されている。ヒルソング教会は、オーストラリア・クリスチャン・チャーチ(前オーストラリア・アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団)に所属し、オーストラリアを拠点とするボビー牧師自身の働きからも示されるように、女性の牧師や伝道者を受け入れ育てている。
「基本的に、イエス・キリストが男性と女性を一緒に創造されて、『生めよ、ふえよ、祝福されよ、地を従わせて治め、素晴らしい人として、素晴らしい人生を歩め』と男女に言われたという確信を持ち、それを信じているだけなのです。だから私たちは女性を加え、いつも受け入れ、歓迎しています」
「豊かで素晴らしい可能性が女性の内にあると私は個人的に思っています。でも歴史の中で、それが時に消されてきたのです。この世の中は女性起用を問題にしていません。だから教会も大人になって成長する必要があります。女性の内にも豊かで素晴らしい長所と可能性があり、男女が一緒に働くことによって、教会がより美しく、より活気に溢れ、より社会と関わっていけるのだ、ということに気付く必要があると思います」とボビー牧師は語った。
夫であるブライアン・ヒューストン牧師と30年間共にヒルソング教会に仕えてきたボビー牧師は、同教会のホームページでは、「預言的教えの賜物を持つ親愛なる牧師」と紹介されている。また「『女性ミニストリー』の顔として、女性の働きを再定義し、地元のヒルソング・シスターフッド、世界のカラー・シスターフッド、毎年世界の4カ国において開催されるカラー・カンファレンス(いずれもヒルソング教会による女性ミニストリーとそのカンファレンス)を通して、強く才能のある女性たちを育てている」とも書かれている。
また、「私たちの世界では、(女性かどうかは)問題にさえなりません。実績がそれを物語っていると思います。このような同じ霊的な一致を持つ教会の中でも女性たちをのけ者にしないので、女性が教会の中で大きな力となっていると思うのです」と語った。
ヒルソング教会で女性牧師として育てられた説教者、著者、活動家でもあるクリスティン・ケイン氏が、その良く知られた例だ。このシドニー生まれの伝道者は、米国の多くの主要教会やキリスト教のカンファレンスなどでもメッセージを語り、『Propel』(プロペル:「進ませる」の意)という女性リーダー向けの雑誌も刊行した。
「指導者の集まりや教会で話す機会において、その多くで私が初の女性スピーカーであったことは光栄なことでした。別にそれを意図していたわけではありません。ただ私の能力を最大に生かせるよう、神の導きに心から忠実に従ってきただけです」と、ケイン氏は語っている。
今月16〜18日にニューヨークで行われたヒルソング・カンファレンス初日の記者会見で、ボビー牧師は、これらの女性牧師と伝道者についての意見を述べた。
ヒルソング・カンファレンスはマディソン・スクエア・ガーデンで開催され、関係者によると期間中、会場は満席状態。一般参加者は約5300人に上った。
ヒルソング教会はブライアン、ボビー両牧師によって1983年に創設され、現在、世界中で3万人が毎週の礼拝に集っている。オーストラリア以外にも、ニューヨークやロサンゼルス、ロンドン、コペンハーゲン、バルセロナをはじめ、その他6都市に複数の教会を持つ。