オーストラリアに拠点を置き、世界の複数の都市にまたがるメガチャーチ、ヒルソング教会のブライアン・ヒューストン主任牧師が16日、米ニューヨーのマディソン・スクエア・ガーデンで催されたヒルソング・カンファレンスを前に記者会見を開いた。5千人以上が参加した同カンファレンスの数時間前に開催された会見で、ヒューストン牧師は質問攻めにあった。
ヒューストン牧師は、夫人であり同じくヒルソング教会の牧師でもあるボビー夫人と、息子でありヒルソング・ユナイテッドのリーダーでもあり、ヒルソング教会ニューヨーク支部でカール・レンツ氏と共に牧会もしているジョエル・ヒューストン氏と共に会見に現れたが、明らかに緊張した面持ちだった。会見にはレンツ氏も教会代表として出席し、その夜開始することとなっていたカンファレンスとヒルソング教会伝道活動の問題に関して、地元メディアからの質問に答えた。
しかし、いったん質問を受け付け始めると、一部の記者たちの関心はむしろ、ブライアン・ヒューストン牧師の父親が1970年代に行った性的虐待や、ヒルソング教会の資金運営、ヒューストン牧師が特に性の問題に関してどう考えているのか、などの問題にあることが明らかになった。
ヒューストン牧師の父親の児童性的虐待の問題について
性的虐待の問題は、ヒューストン牧師の父親ウィリアム・フランシス・ヒューストン氏が決して公に追及は受けなかったものの、先週オーストラリアで行われた、宗教団体による性的虐待問題の扱い方についての公聴会で浮上した問題であった。ウィリアム氏は2004年に82歳で他界しているが、何十年も前にニュージーランドで少年を虐待したことを1999年に告白しており、その際、息子によって教会における全ての職務から解任されていた。ヒューストン牧師は当時、アッセンブリーズ・オブ・ゴッドのオーストラリア代表であり、彼の父親の教会はその中に属していた。
先週、児童性的虐待を調査するための王立委員会で、ヒューストン牧師は、彼の父親が告白した件に加えて、他にも犠牲者がいた可能性があると思うと語っていた。オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙が伝えたところでは、ヒューストン牧師は父親の告白後、「ニュージーランドで6人の少年に関してさらなる被害届があったことが分かった」と委員会で語ったという。
ヒューストン牧師は16日の会見で、父親に関する告発に関してもっと早くに分かっていたら違う対応をしたかどうか、レリジョン・ニュース・サービス(RNS)の記者に問われ、同じコメントを繰り返した。ヒューストン牧師が、自分の父親が小児愛者であったことは認めつつ、警察には決して通報せず、父親が退職処分となるよう取り計らったことも指摘された。
彼は父親の真実を知った日のことを「人生で一番暗かった日」と表現し、この日の30分間の記者会見全体を通して、この事件について途切れ途切れに言及した。(続く)
■ ヒルソング教会ニューヨーク記者会見:(1)(2)