「妊娠7カ月で中絶もできない。どうしていいかわからない。」
ユース・ウィズ・ア・ミッション(YWAM)の慈善事業(マーシーミニストリーズ)の一環として活動している無料相談窓口「愛の決心」(ゴードンサラ代表)には、予期せぬ妊娠で問題を抱えている女性やその家族から現在、月に10件ほどの電話相談が寄せられている。同団体は電話相談に応じるだけにとどまらず、何からの理由で現在の住所にとどまることができない女性のための短期ホームステイ先の紹介や、秘密厳守の無料カウンセリングサービス、養子斡旋など、母子をともに助けるための具体的援助を実施している。
「愛の決心」は静岡、大阪、沖縄を主な拠点とし、約20人の電話カウンセラーと11人のスタッフが働いている。スタッフは全員クリスチャン。何も話すことができない、生まれてくる小さな命の主張を代弁したい、親を必要としている子どもたちのために、親、そして家族を見つけ出したい、との強い願いから91年に活動を開始した。
設立以来、養子縁組で実際に送り出した子どもは約170人に上る。電話相談には、養子縁組を受け入れる側からの問い合わせも多い。養子受け入れを希望する家族には家庭調査を行ったうえで、子どもたちを紹介している。
これまでに養子縁組された子どもたちの中には、親が育てることのできない健康な日本人の子どもたちや、国籍の違った両親を持つ子どもたちのほか、障害を持った子どもたちもいる。ダウン症、精神、肉体面の発育不良、先天性口蓋裂(Cleft Palate)、心臓欠陥、遺伝的欠陥などの障害を持った子どもたちを、実際に養子として送り出してきた。
ゴードンさんは、「聖書の中で、弱い者たち、貧しいものを守って、彼らのために戦うこと、その子たちを救い出すことを教えられている。しゃべることができない赤ちゃんを助け、彼らの権利を守り、救い出すこと、それをクリスチャンとしてやっていきたい」と語った。
「愛の決心」(24時間フリーダイアル:0120・41・8277)では、運営のための経済援助ができる個人や教会、地域の病院や教会を訪問するボランティアや、ポスターを配布したりフリーダイアルの電話番号をトラクト等に印刷できる教会を募集している。また、電話カウンセラーの養成セミナーも実施中。問い合わせは、同本部(電話・ファックス:054・247・9411)、大阪支部(電話:06・6697・3502、ファックス:06・6697・3504)まで。