バプテスト派の伝道者であるJ・D・ホール氏は、長きにわたり米ブルートン・パーカー大学のエルグン・ケイナー学長を批判し続け、最近ではケイナー学長の息子ブラクストン君(15)も巻き込んでツイッター上で激しい非難を繰り広げていたが、7月29日にブラクストン君が自殺したことを受けて、後悔の念を表した。
ホール氏はバプテスト派の伝道者でラジオ番組の司会でもあり、ケイナー家と衝突していたが、ケイナー氏とその妻が別居中だという噂をツィッターで流したことについても、「罪深い」行いだったと自ら認めた。
「8月1日金曜日のラジオ番組でも言いましたが、ケイナー氏の息子ブラクストン君のツィッターに載せられた内容について、人々の関心を向けたことを後悔しています。それは本筋から逸脱したことで、そのことについてはケイナー氏自身に言えばよかったのです。ケイナー氏の部下には実際話したのですが、状況を改善する時間が明らかになかったようです。とにかく、あんなことをすべきではありませんでした」と、ホール氏は2日、ブログに書いた。
「すでに皆が知っている振る舞いを指摘するのがなぜ間違っているのか、その根拠となる聖書の章節を提示してくれるよう、私は人々に求めました。私自身色々考えました。箴言17章9節では、『愛を求める人は罪を覆う。前言を翻す者は友情を裂く』とあります。ケイナー氏と私はいわゆる『友人』ではありませんが、それは重要なことではありません。私は絶対に『攻撃』したわけではありませんが、ブラクストン君は、彼のツィッターは公に見られるものであったとしても、決して公人ではありませんでした。ブラクストン君のツィッターに関わるべきではありませんでした」と、ホール氏は語った。
「最後に、私はツィッターでケイナー氏の結婚生活についての噂を流しましたが、それは単に短く触れるだけだったとしても、するべきではありませんでした。あれは『罪深い』ことでした。ですから、私自身のメールアドレスはすでにブロックされていると思いましたので、ケイナー氏と私の共通の友人に頼んで、私の謝罪を確実に伝えてもらうように頼みました。もし私のこの謝罪や、謝罪の文面について非難する人がいましたら、それについても私は謝罪します」と、ホール氏は締めくくった。
謝罪はしたものの、ホール氏のエルグン・ケイナー氏に対する批判は継続的で、ブラクストン君が自殺した日にも、ダスティン・ジャーメイン氏が「ウッドストック第一バプテスト教会でのケイナー氏のイベントは、南部バプテスト連盟におけるより深刻な教会論的問題を示すものだ」とコメントする投稿をリツィートしていた。
ホール氏は数年間にわたりケイナー氏を非難してきた。ケイナー氏が「悔い改めない嘘つき」であり、自分はかつては敬虔なイスラム教徒でテロリストとして訓練を受けた、という自身の主張についても真実を語らないことを責めている。ホール氏の発言は、彼自身のツィッターやブログで全て見ることができる。
「リフォメーション・モンタナ」の共同創設者であり、フェローシップ・バプテスト教会の主任牧師でもあるホール氏は7月初旬、ネット上で「気持ちが悪くないような不道徳さ」を表しているとして、ブラクストン君を攻撃していた。
7月2日、ホール氏は、ブラクストン君が自分のツィッターにガールフレンドにキスしている写真を載せていることに公の関心を引きつけ、彼がトルコ語で猥褻な言葉を書いていると指摘した。
「なぜエルグン・ケイナーの息子は、自分がイチャイチャしている写真を載せたり、猥褻な言葉を載せたりするのか?ケイナー家の不道徳には驚くばかりだ」と、ホール氏はツィッターに書いた。
ブラクストン君はこれに対し、トルコ語で「Siyah Yarak」――これは文字通りに「黒いペニス」という卑猥(わい)な意味になるが――というツイッター上でのユーザー名で、ホール氏とケイナー氏の両方に答えた。
「まず、これは『イチャイチャ』ではなくてキスというもので、今のカップルが行う愛の印だ。第2に、15歳のツイッターを読んで文句をつけてる暇があったら、他にもっとましなことをするべき」と、ブラクストン君は書いた。
ホール氏はそれに答えて、「君と、君の兄弟姉妹とお父さんは、家ではアラビア語を話しているのか?お父さんは公にそう言っているが?」と書いた。ブラクストン君はホール氏がケイナー氏に執着していると非難し、それは「ちょっと気味が悪い」と言った。
「あんたは僕の父に執着し過ぎだ。大人のくせにちょっと気味が悪い」と、ブラクストン君。
ホール氏はその後ブラクストン君とのやりとりは終わりにしたが、父親のことを話したかったら自分にメールするようにと言った。
そのやりとりに加わっていた他の人々の中には、ホール氏の15歳の少年に対する攻撃は不適切だと感じた人もいて、ホール氏を批判するコメントも見られた。
「その家族を巻き込むまでは、あなたの意見に賛成していた。謝罪すべきだと思う」というのは、投稿者「The Worst Christian」によるコメント。
しかし、ホール氏はこの件を終わりにせず、7月2日、自身のブログでブラクストン君のツィッターについて非難を書き続けた。
「私の知る限り誰も彼がツィッターのアカウントを持っていることを数日前まで知りませんでした。彼がコメントで『僕のベイビーがいなくて寂しい』と書いたのに、父親のエルグン氏自身が自分のツィッターアカウントを通して『私もだ』と回答したときに、皆気付き始めたのです。その後大いに懸念すべき事柄があると分かりました。いくつかの卑猥な言葉、ガールフレンドにディープキスをしているプロフィール写真、インターネットのポルノフィルターが反応するような卑猥な言葉に翻訳されるツィッター名などです」
ホール氏のブログでは、ケイナー氏への非難にその息子を巻き込むことに対する議論が激しく繰り広げられることになった。
1人の投稿者「Paul」は、次のように書いた。
この件について整理する・・・
− あなたは彼の親ではない
− あなたは彼の教会の牧師ではない
− あなたは彼の友だちではない
− あなたはこの子自身に対して関心を注いでいるわけではない
− この10代の若者を知っているわけでもない
− あなたは15歳の少年のツィッター(決して公のサイトではない)を検索して読むことに時間を費やした
− あなたは彼の写真と書いている言葉が不適切だと判断した
− 他人の高校1年生の息子とネットでやり取りした
− 15歳の少年に対して、その父親について私的に連絡するように頼んだ
− 彼の父親と母親が別居していると書いた(ちなみにそれはあからさまな嘘だ)
− いかなる意味でもこの子に対してあなたに神から与えられた権限などないそれに加えて、自分の行いがせいぜい不適切なものであったと証明するために、聖書の章節を教えて欲しいと(それはむしろ聖書に基づいて行動を規制する立場であるべき人間にとっては逆のアプローチでは)?
もっともあなたがそうしたことには私は驚かないが。とてもあなたらしいし、あなたとラジオ番組にとってはよい宣伝となるのだから。しかし、あなた以外の人が素早くあなたの弁護に回り、その行動を正当化しようとしたことにはいささか驚いている。自分は人々に悔い改めるよう呼び掛けるのが好きなくせに、あなたは自分が一線を越えたときにはそれをなかなか認めることができないようだ。