【CJC=東京】パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤで7月30日、難民キャンプ内の住民退避施設ともなっている国連運営のアブ・フセイン学校をイスラエル軍が同日朝、砲撃し少なくとも20人が死亡した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は31日、北部ベイトラヒヤにある女子学校近くでも砲弾の着弾があったと報告した。死者は出ていないが、8人が負傷した。
30日に砲撃を受けた学校には住民ら約3000人が身を寄せていたという。国連は死者数は判明していないと述べたが、UNRWA報道官は、寝入っていた子どもが死亡したとしている。
国際人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」は、UNRWAが避難施設の場所などについてイスラエル軍に17回にわたって伝えており、ジャバリヤでの学校攻撃は戦争犯罪に等しいと主張している。
米CNN放送によると、イスラエル軍の報道担当者は敵戦闘員が同学校からイスラエル軍に発砲したと反論。兵士が銃撃の発生場所に応戦したとし、国連関連施設を使ったハマス側の罪としている。
ガザ内で国連運営の学校が攻撃を受けたのは今月8日の軍事衝突の発生後、6件目。
米国のジョシュ・アーネスト大統領府報道官は31日、国連が運営するガザ北部の学校が砲撃を受けたことなどについて、「戦闘から避難した罪のない市民がいる国連施設を砲撃することは認められず、擁護できない」とイスラエルを非難した。
米政府は、これまで同盟国・イスラエルを名指しで非難することは控えてきた。