【CJC=東京】ジャクリーヌ・バドコック国連人権代表代理が、イラクのイスラム教スンニ派の過激組織「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)支配地域で11歳から46歳までの女性400万人が割礼を迫られている、と語った。
「最近明らかにされたことで、重大な関心を持っており、説明を求めている。ISISが出した『ファトワ』(宗教令)であってイラク市民の意思ではなく、テロリストに支配されているこの地域の女性の意思でもない」と言う。
同氏の発言は、クルド人自治区のイルビルにある同氏の活動拠点からビデオでジュネーブの国連人権高等弁務官事務所に送られた。
7月23日、クルド族のウエブサイト「バスニュース」は、「ファトワ」をイスラム国家の最高指導者「カリフ」を自称するアブバクル・アルバグダディがモスルの人たちへの「贈り物」として出されたと報じている。
ただイスラム教は女性割礼を必至としてはおらず、イラクではほとんど行われていない。またISISから実際に女性家族が割礼を迫られたという事例が伝えられないところから、偽情報に惑わされたのでは、との指摘もある。
アフリカ、中東、アジアでは、女性に割礼を施す習慣がある。ただ出血、排尿障害などの危険もあり、国連総会は2012年、全加盟国に女性割礼禁止を呼びかけている。