世界的な大衆伝道者、フランクリン・グラハム氏を主講師に招く「北海道・希望のフェスティバル」が9日、札幌市の北海きたえーるでスタートした。11日までの3日間の日程で開催される同イベントの1日目、ステージには6組のアーティストが出演。約4千人の参加者を前に、グラハム氏が「あなたの罪を神様に告白してほしい。神様にその罪のゆるしを乞うてほしい。そして、信じることによって神様から罪のゆるしをいただいてほしい」とメッセージを伝えた。
北海道・希望のフェスティバルは、北海道の約150教会と米国のビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の協力によって開催されている。1日目には、両腕がなく両足の長さも違うというハンディを持ちながらも、笑顔で人々に勇気と励ましを与えながら活動している歌手のレーナ・マリア、グラミー賞を6回受賞し、世界最高峰のゴスペル・クワイアとして知られるブルックリン・タバナクル・シンガーズ、ギターの早弾きギネス記録保持者であるデニス・アガジャニアン、フランクリン・グラハム氏が伝道集会を開催するところであれば世界中どこでもともに賛美を届けているトミー・クームズバンドらが出演した。
日本でも各地でコンサートを開催しているレーナ・マリアは、ステージでは日本語でも挨拶。多くのハンディを抱えながらも笑顔で活動している姿に、なぜそんなに幸せな顔をできるのかと聞かれることが多いという。「私はみなさんのように腕はありません。しかし、腕を持っているからといってそこから幸せが来るのではないと思います。心の中でどのように感じているかで幸せを感じるのではないでしょうか」「一番の理由は、イエス様から本当に愛されているのだということを知っているからです」と語った。
続いて出演したブルックリン・タバナクル・シンガーズは、米ニューヨークのブルックリン・タバナクル教会のクワイアからの精鋭チーム。この集会のために結成された、約500人のジャパン・マス・クワイアをバックに、会場全体を震えさせる賛美を届けた。開演前のオープニング・アクトでは、津軽三味線とサックスのコラボとして新田昌弘・遠藤稔、日本のゴスペル歌手・向日かおりが出演した。
約1時間半の出演アーティストによるパフォーマンスの最後に出演したのは、フランクリン・グラハム氏と共に世界中の伝道集会を巡っているトミー・クームズバンド。グラハム氏がメッセージを伝える前に必ず歌っているという「My Hope」を歌い、その後グラハム氏が登壇した。
メッセージのはじめ、「神様は本当にいるのかという想いで来られた方々もいるかもしれません」とグラハム氏。しかし、「ここに神様がおられます。唯一の真実な神様です。そして、その神様はあなたを愛しておられます。あなたを創造されました。そして、あなたと親しい交わりを持ちたいと願っています。でも、私たちには問題があります。その問題とは、罪と呼ばれるものです。あなたと神様を引き離すものです。しかし、今晩あなたの罪はゆるされます。今晩あなたはこの神様と正しい関係を回復することができるのです」と、力強く語った。
車や家、新品の薄型テレビ、最新のタブレットなど、人にはそれぞれの「宝物」があるかもしれない。だが、「私たちの魂は、この全宇宙よりも大切なものなのです」とグラハム氏。聖書の中でイエス・キリストは、「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか」(マタイ16:26)と語っている。「魂が大切だというのは、永遠に続くからです」「聖書は私たちに教えます。私たちは目に見えるものではなく、見えないものにこそ心を留めるべきです。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです」と語った。
グラハム氏は、「一つ皆さんが確かに知ることができることは、いつの日か、あなたは死ぬということです」と続け、それだけではなく聖書には「死ぬこと、また死後に裁きがある」(ヘブル9:27)と書かれていると強調。死後にある裁き、また地獄の存在も語り、「あなたは(死後)神様の前に立たないといけないのです」と語った。そして、「全能の神様の前に立つ唯一の方法は、神様が与えて下さる救いを受け入れることによるのです」と述べ、人類の罪を背負って十字架で死んだイエス・キリストを信じる救いを受け入れるよう求めた。
罪については、盗みや殺人はもちろん罪だが、嘘や両親を敬わないことも罪だと指摘。また、「神様の目から見れば人工妊娠中絶も実は殺人です」とグラハム氏。「姦淫も罪です。夫婦の関係以外の性的な交わりは、神様の目から見ればそれも罪です」と言い、聖書が語るように全ての人が罪人だと語った。しかし、「神様は誰一人として滅びることがないように、永遠のいのちを得るように願っています」とグラハム氏。「自分の罪を認めて、神様の方に向き返ってほしい。悔い改めてほしいのです」と迫った。
集会の最後には、グラハム氏の呼びかけに会場の多くの人々が応じ、グラハム氏とともに罪の告白とイエス・キリストを受け入れる祈りをささげた。
9日午前には札幌市内の別会場で女性向けの集会「レディースランチョン」も行われ約880人が参加。道内4地域に設けられたサテライト会場には約160人が参加し、道外向けにネット配信した中継は約920人が視聴した。これらを含めると1日目は約6千人が参加、決心者は530人に上った。
北海道・希望のフェスティバルは10日、11日も開催され、1日目とは異なったアーティストの出演も予定されている。また、フェスティバルの模様は、道内では稚内、北見、釧路、渡島の4地域6会場で中継され、道外では専用サイトでネット中継される。