台湾基督長老教会(PCT)は25日に開いた第58回期総会の常議員会で、「中国とのサービス貿易協定の違法採択に反対する学生たちによる公然のデモに関する是認とアピール」を採択し、議長および総幹事名で発表した。同教会のニュースメディアである台湾教会公報社がその全文の英訳をウェブサイトに掲載して伝えた。
台湾では同協定の発効に反対する学生たちが立法院(国会議事堂)に突入して占拠し続けている。台湾の通信社である中央社は25日、「馬総統と国会占拠の学生代表ら 前提なしを条件に対話へ」という見出しで、前提を設けないことを条件に学生側の代表を総統府に招いて対話を行いたいとする馬英九総統の意向を明らかにし、抗議を続ける学生側も前向きな姿勢を示していると伝えた。
アピール文の全文は以下の通り。
台湾基督長老教会(PCT)は自らの良心に基づいて2014年3月18日に立法院を占拠した多くの学生たちによる非暴力行動を是認する。彼らの動機は台湾への愛を表示するとともに政府の透明性の欠如に対して台湾の民主主義を守ることである。台湾ではこの学生運動が象徴的に「黒箱」として知られている。
同時に、PCTは、この島全体からやってきてこの長引く闘争に参加した、数えきれないほどの学生たちや市民団体、政党への支持を是認する。これらの先導的行為は台湾の民主化のための重大な機会をもたらし、台湾の公的諸課題に対する関心を高め、そして台湾の独立と主権を脅かすために経済や商業を利用することを防いだ。
馬英九総統の指示により、立法院の内政委員会(IAC)召集人である与党(国民党)立法委員の張慶忠氏は、討議なしでこの協定がIACの審査を通過し、検討すべく立法院の議場へ送られると発表した。この発表の後、彼はIACを閉会し、立法委員たちをあっと驚かせた。
張氏の行動は法の適正な手続きに対する重大な違反であり、与党とその商業的利益をひいきする措置を強行採決するために多数派の支配を使った常習的な弱い者いじめの戦術を示すものである。台湾国民の不可侵の権利と特権を退けるこれらの行動は、独裁時代を思い出させるものであり、構築に何年もかかった民主化を破壊しようと脅かすものである。
台湾の将来に対するPCTの深い憂慮はその信仰に根差したものである。1977年8月16日、同教会は「人権に関するPCTの声明」を発表し、台湾が新しい独立国とならなければならず、この将来が国民の総意の表明に基づかなければならないと強調した。この立場はまた、「この教会は愛と苦しみを通して希望のしるしとなるよう招かれている」というPCTの信仰告白にも基づいている。PCTの指導者たちや教会員たちの多くは、私たちの国である台湾を守り保つために、これらのデモや活動に参加し、自らの信仰を証している。
私たちの教会は、したがって、
1. 台湾の民主的な支配を尊重して、学生たちが自らの非暴力によって馬英九政権にこの貿易とサービスの協定を廃止するよう要求する公然のデモを続けることを是認する
2. 台湾の民主主義を守り保つ活動に参加するための具体的な行動をとるように、そしてこのデモに参加しているこれら全ての若い学生たちや市民団体および一般市民のために熱心に祈り続けるよう、PCTの全ての指導者たちと教会員たちに訴える。
神に従う人が大いになると民は喜び、神に逆らう人が支配すると民は嘆く。箴言29章2節
PCT第58回総会期議長 許榮豐牧師
PCT総幹事 林芳仲牧師