今年のNRBの集会で行われたこのパネルディスカッションでは、作家であり映画制作者であるクック・ピクチャーズのフィル・クック氏が司会を務め、他にラジオ業界の業界紙『トーカーズ・アンド・ラジオ・インフォ』の編集長マイケル・ハリソン氏や、南部バプテスト連盟の倫理と宗教の自由委員会委員長ラッセル・ムーア氏らが出席した。
ハリソン氏は、地域社会への貢献をラジオ業界の土台として推し進め、家庭内暴力に関する取り組みやアメリカのメディアがおざなりにしている国際的問題への意識を高めることなどに関わっている。彼は、ラジオ業界を取り巻く環境は、他の多くの放送メディアの存在により21世紀に入って目覚しく変化していると語った。
ラジオは時に取り残されがちであるけれども、今でも竜巻やハリケーンなど自然災害についての情報を得るなど、危機や緊急事態には人々はラジオをつける。ラジオと世論に関する権威としては全米トップとされるハリソン氏は、ラジオは今でも自然災害以外の全国的な問題にとっても重要だと主張した。
メディア業界関係者が多いNRBの出席者に向かって、彼は真摯かつ超越的な態度の重要性を訴えた。
「真摯であること。そして我々をバラバラにし、敵対心を生み出すだけの些細な違いや目的は超越することです。真摯に、勝利を見据えて、真実を求めるのです」とハリソン氏。
「放送という業界は、善の側についているとき、人を助けようとしているとき、そして他人を問題視するのではなく問題に対する解決策を提示しようとするとき、一番役に立つのだと思います。そうすれば結果的にも成功し、健全で、ポジティブな方向に向かうことができます」
一方のムーア氏は、南部バプテスト派の牧師だ。複数の南部バプテスト派の教会での牧会を経て、倫理と宗教の自由委員会委員長という立場から、神学、文化、公共政策の問題に対し、全米のいくつもの名だたる出版社と共に取り組んでいる。
メディアがクリスチャンの世界観を敵対視している場合、時にクリスチャンはキリストが教えたこととは逆のことをしてしまうと、ムーア氏は言う。しかし、実際キリストは外部の者よりはむしろ内部の者――神に属するものでありながら力を乱用し、害を及ぼす人々――に対してこそ怒りを持っていたと、ムーア氏。
「我々はしばしばその逆を行う傾向があります。神のものであるべきなのに、恐ろしい、精神的に危険なことをたくさんしてしまうのです。しかし、その人たちが自分達の仲間なので、それについて口を閉ざします」
クリスチャンがクリスチャンでない人々と関わるときは、親切に、ただし悔い改める必要を訴えながら接するべきだとムーア氏は言う。
同性愛結婚など文化的に微妙な問題の扱いに関しては、結婚は1人の男と1人の女との間でのみ可能だというのは昔からの考えだと世間に思い出させる必要があると、ムーア氏。
「性についてのこのような理解は、キリスト教の全ての宗派、ユダヤ教、イスラム教、そしてダライ・ラマも共通に持っているものです。ですから真摯に、忠実に、この考えを強調します。私の使命は、こういう問題を自分達のコミュニティで扱っている他のクリスチャンの模範となるような仕方で、これらに取り組むことだと考えています」とムーア氏は語った。
また彼は、微妙なトピックの議論が注目を集めているときのクリスチャンの模範は、確信かつ優しさを持った態度だと話した。
「我々が語りかけているのは、実際に怒りを持った活動家だけではありません。我々の声が耳に入る人全てに話しかけているのです。このことは常に覚えておくべきです」
国際クリスチャンメディア大会:(1)(2)