テネシー州ナッシュビル市――あるハリウッドのトップスタジオ幹部が、エンターテイメント業界の注目を集めるような、リアルで、人生の真実を見事に描いた物語をもっと生み出すようにとクリスチャンに呼びかけた。
2月24日に開かれた全米宗教放送協会(NRB)主催の国際クリスチャンメディア大会で、クリスチャンのメディアに対する取り組みに関するパネルディスカッションが行われた。そこで「宗教についての映画となると、描かれることが多いのは信仰の理想形です」と語ったのは、ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント傘下のコロンビア・トライスター・ピクチャーズ上級副社長、デヴォン・フランクリン氏だ。
「我々は皆悲劇や、トラウマを経験します。現に今痛みを抱えている人達もこの中にいるでしょう。人生は我々の望み通りにはならないものですから。憂鬱を抱えている人もいれば、怒りを抱えている人、イライラを抱えている人もいます。愛する者を失った人もいます。我々は皆大変なことを乗り越えてきているのです」
フランクリン氏はこれまで、ホイットニー・ヒューストンの遺作となった『スパークル』や、『ベスト・キッド』のリメイク、『幸せのちから』など、有名作品の制作に関わってきた。彼は現在、これから公開となる『天国は、本当にある(Heaven is for Real)』の制作に関わっているが、クリスチャンは個々の意見の相違を超えるべきだと言う。
「我々が団結しなければ、瑣末な違いにかまけているばかりで、大きな影響力を持つことはできないでしょう」とフランクリン氏は強調した。
既に公開した『サン・オブ・ゴッド(Son of God)』、3月公開の『ノア 約束の舟(Noah)』、4月公開の『天国は、本当にある』など、今年は劇場公開映画でクリスチャンが大活躍であるが、エンターテイメント業界に本当の意味で関わるためにはまだまだ多くの課題があると、フランクリン氏は言う。
「『私はクリスチャンのライターです』と表明するだけでは充分ではありません。優れたライターであり、優れた監督であり、優れた俳優でなくてはならないのです。神が私に授けた仕事のひとつは、それを本当に実現させるよう手助けをすることだと思っています。内容が素晴らしければ、障害も取り除けるのです」とフランクリン氏は語る。
フランクリン氏が主張するのは、現実の人生の物語を表現することが――それは確かに難しいことではあるが――できない映画は、その影響力にも限界があるということだ。
「宗教についての映画では、本当のあるがままの現実ではなく、我々の理想のイメージを表現しようとしてしまいます。人生の現実を描いていないような映画は、クリスチャンである我々にとっても観たいような映画ではありません」(続く:(2)「些細な違いを越えて真摯に」「議論あるトピックには確信かつ優しさを持った態度で」)
国際クリスチャンメディア大会:(1)(2)