米国の初代メガチャーチだと言われるクリスタル・カテドラル(教会)を夫ロバート・H・シュラー牧師と共に創設したアルベラ夫人の葬儀が、18日午後遅くに執り行われた。人気テレビ伝道番組『アワー・オブ・パワー』の陰の立役者として知られていたアルベラ夫人は、少しの間病を患っていたが、84歳で他界した。
葬儀は、カリフォルニア州ガーデングローブ市にあるクライスト・カテドラル(前クリスタル・カテドラル)の植物園で執り行われた。20年以上のもの間この教会の代表を務めたことがあるドリー・マットソン氏は、米クリスチャンポスト紙に「出席者は多かった」と語っている。
マットソン氏は追悼コラムとして次のように書いた。「シュラー夫人は『賛美:霊感を受ける時間』というレクチャーで、いかに芸術が賛美のためにあるべきかを情熱的に語りました。彼女の情熱は、テレビ伝道番組『アワー・オブ・パワー』や、子ども達への伝道活動、『グローリー・オブ・クリスマス』(1981年から2009年までクリスタル・カテドラルで行われていたクリスマス降誕劇)など、彼女の芸術的取り組みによく現れていました」
「彼女の情熱は、『全ての芸術、とりわけ音楽が、神の賛美において用いられるべきだ。神がそれらを創り、与えたのだから』というマルティン・ルターの言葉を表したものです」
アルベラ夫人はクリスタル・カテドラルの「ファーストレディー」として知られていたと、地元のオレンジ・カウンティー・レジスター紙は伝えた。50年前に創設されたこの教会で、彼女が以前務めていた役割の1つはオルガニストであった。その後、彼女は世界中の何百万という視聴者に観られることとなったテレビ伝道番組『アワー・オブ・パワー』の制作に携わった。
「彼女が『アワー・オブ・パワー』の陰の立役者です」とレジスター紙に語ったのは、アン・ムーア・ワルツさん。彼女は1956年に初めてアルベラ夫人に出会い、その後この教会の聖歌隊で歌うことになったという。「あの番組の成功は全て彼女のおかげです」
葬儀では、子ども聖歌隊、ヴォーカルソロ、オルガンの演奏も行われた。「音楽の才能があったアルベラ夫人の人柄を偲んでそうしたのです」とマットソン氏は語る。プログラムに引用された聖書の文句は「心を尽くして、あなたの神である主を愛せよ」(マルコ12章30節)だった。
フラー神学校の前学長リチャード・モウ博士が追悼の言葉を述べ、ノーバート・エッシュ氏が説教を行った。「特に感動的だったのは、妻であり、母であり、祖母であり、伝道番組『アワー・オブ・パワー』のプロデューサーでもあったアルベラ夫人の人生のハイライトが追悼ビデオで映されたときです」とマットソン氏。
レジスター紙が伝えたところでは、アルベラ夫人は「『アワー・オブ・パワー』の制作の全て――ゲスト出演者の予定から、夫シュラー牧師の説教の手直し、音楽の調整まで――を握っていた」という。
「彼女が教会のブレーン役でした」と言ったのは、アナウンサーのエド・アーノルド氏。彼は『アワー・オブ・パワー』が1970年に初めて放送されたとき、ボランティア・アナウンサーを務めた。「ロバート・シュラーがアイディアを思いつき、夫婦2人でそれを練って、夫人が実行したのです」
アルベラ夫人と63年連れ添った夫のシュラー牧師はまだ健在だ。夫妻には息子ロバートの他、シェイラ・コールマン、ジャンヌ・ダン、キャロル・ミルナー、グレチェン・ペンナーという娘達がいる。