20日、ジェームス・ドブソン博士のファミリートーク番組のインタビューに応じた米メガチャーチ牧師のロバート・ジェフレス氏は、「クリスチャンや教会指導者たちは、政治問題や社会問題に対して受け身でいるべきではない」と述べた。21日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
米テキサス州ダラスにある1万人の教会員を有する第一バプテスト教会牧師で、執筆家でもあるジェフレス氏は、「政治に宗教を混ぜるべきではない」という古くからある格言に同意することはできないとし、「神様はクリスチャンを、社会に影響を与え、政治的対話に関わっていき、政治の中で聖書的に正しい事、間違った事がなされていることを指摘していくために召されたと信じています。私は神様の御言葉を教える教師であり、説教者でもあります。神様の御言葉と世の文化が対立するとき、その対立を回避しようとするべきではありません。神様は私たちを私たちの文化に影響を与えることのできる存在として召されたのだと信じています。ですが、現実には多くのクリスチャン、さらには牧師までもが『政治に宗教を混ぜるべきではない』と言っているのを聞いて驚いています。それなら、『何であれば政治に混ぜても良い』と言うのでしょうか?」と述べた。
ジェフレス氏は最近「アメリカ最後の日々があなたの最善の日々となるために」という新著を出版している。同著の中で、ジェフレス氏は、アメリカの終わりの時が来たとしても、聖書では、全世界が神様の御心が実現できる世界となるためにクリスチャンを召されたことが書かれていることについて言及している。
ジェフレス氏は「聖書では世界はやがては崩壊することが書かれてあります。アメリカでさえ例外ではなく、いつかは崩壊する時が来るでしょう。ですから、極論としてクリスチャンがアメリカを救うということを信じているわけではありません。しかし、私たちが最終的にアメリカが崩壊することを防ぐことをできないとしても、塩気を保ち、世の光として存在し続けることで、その日を遅らせることができます。そして崩壊するときまでに人々に福音を伝え、キリストが救い主であることを知らせる時間を持つことができるのです」と述べた。
ドブソン博士は、クリスチャンにとってジェフレス氏のような重要な見解を示す牧師の意見を聞くことが必要不可欠であるとし、クリスチャンが政治問題に関与していく重要性、またクリスチャンが愛において真実なる対話をしていくことが大切であることを指摘した。ドブソン博士は、トーク番組の中で「教会はいつから(政治問題において)正しい事、間違った事を言及することを恐れるようになってしまったのでしょうか?」と述べた。
ジェフレス氏はクリスチャンは現代社会にあって、文化に信仰を影響させようとするべきではないとする傾向が生じていることに懸念を示し、「文化に影響を与えていくことが私たちクリスチャン、そして牧師のしなければならない義務であると信じています。今日のクリスチャンの中に生じる最大の危機は、『政治的に平和に過ごそう』としていることであると思います。『どのように過ごしていても、やがては終末の時が来るでしょう。それなのにどうして政治問題に影響を与えようとしていなければならないのか?それは(沈没を避けられない)タイタニックのデッキにある椅子を並べ変えるようなものではないでしょうか?』-という考え方をするクリスチャンもおられます。しかし、クリスチャンが政治問題に関与するべきではないとお考えになられるすべてのクリスチャンに問い尋ねたいことがあります。毎年世界で数百万人もの赤ん坊が殺されていることについて、神様の御心がどのようであるかをお考えになられたことはありませんか?神様は我が国を蝕む不徳がはびこっていることについて何も思われないお方であると思われますか?神様はその御名のために公の場からはじき出されることについて、何とも思われないと思われるのでしょうか?―神様は昨日も、今日も、そして永遠に変わらないお方です。神様がこれらすべての事に関心を持たれておられるお方であられることを信じるならば、クリスチャンが政治に関与していくことは当然であると思われないでしょうか?」と述べた。
一方、ドブソン博士は教会の説教壇に立つ聖職者から大統領候補者を出すべきであると信じる一方、ジェフレス氏はこれには反対し、「私は説教壇に立つ聖職者が政治家になるべきであるとは思いません。しかしこの問題については議論すべきことであると思います。私たち聖職者はかつての預言者たちが行ってきた役割を成していく必要があると思います。つまり今置かれている文化の状況について主が語られることを指摘していかなければなりません。主の語られることにこそ、私たちの国の唯一の希望が見いだせるといえるでしょう。いのちや、結婚の神聖さについて、聖書がはっきりと語ることをクリスチャンとして、牧師として伝えていかなければなりません」と述べた。
一方でクリスチャンや聖職者の中で、政治問題について言及することで、国内の論争に直面するのを恐れる姿勢を見せている人々が存在することについて、ジェフレス氏は「『何もしない』代価は計り知れないものになるでしょう」と警告した。
さらにジェフレス氏は、「アメリカのいかなる教会もこれまで牧師が政治問題に関して説教壇から語った場合において、免税措置を撤廃された教会はありません。私にとって、クリスチャンと政治の問題は、牧師であるかないかという立場を超えた問題です。私に対して『あなたは人々を伝道しようとしているのですか?それとも社会問題に関与しようとしているのですか?』と聞いて来る人々もいらっしゃるでしょう。私は『その両方のために私たちクリスチャンは召されている』と答えます」と述べた。
ジェフレス氏は、これまでも様々な社会問題に対してクリスチャンとしての見解をさまざまなニュースネットワークを通して伝えてきた。ジェフレス氏は、大統領選で誰を大統領に選ぶかについて決める際も、「大統領候補がそれぞれの最高裁に持ち込まれている問題に対して、どのような見解を示すかを知ることが重要である」と述べた。
ジェフレス氏は「私たちは諸教会の中で神様の御心がなされるためだけではなく、それぞれの裁判所で正義がなされることのために祈っています。アメリカが福音を宣べ伝える国として存続することができるためには、それぞれの地域教会が神の召しを全う出来なければならないと思います。地域教会がアメリカの希望です。しかし地域教会がその使命を全うできるかどうかは、それぞれの地域教会の牧師が、神の召しを全うできるかどうかにかかっているのです」と述べた。
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