父はアメリカ人、母は日本人。全米レスリング選手権チャンピョン2回、パンアメリカン選手権大会銀メダル、全米柔道選手権3位という経歴を持つ “不良牧師” アーサー・ホーランドが、来月から6000キロに及ぶアメリカ横断十字架行進を行う。渡米を前に23日には東京都内のホテルでアーサー牧師の支援者らによる壮行会が行われ、60歳を越えても「ときめき」が絶えないアーサー牧師の初めての挑戦にエールを送った。
23歳の時に洗礼を受け、牧師となり、新宿歌舞伎町で行ったユニークな辻説法が話題を集めたアーサー牧師。初めて十字架行進を行ったのは40歳の時だ。沖縄から北海道まで、実物大の十字架を担いで日本を横断。その後、韓国やハワイでも十字架行進を行った。そして、60歳を迎えた2012年には日本で2度目の十字架行進を行っている。昨年は四国一周十字架行進も行った。
60歳の時に2度目の日本横断を決めたのは、心に起った「ときめき」から。母親の母国である日本を味わいながら、「(十字架のメッセージを)語らずにして語ろう」と思って挑戦した。そして、今度は父親の母国であるアメリカ横断に挑戦する。日本横断では約3000キロを約半年で歩き抜いた。アメリカ横断はその2倍。約6000キロの道のりを1年かけて歩く予定だ。
日本横断時の様子を納めたDVD映像で始まった壮行会では、アーサー牧師は十字架を担いで登場。北海道や広島など、全国各地から駆けつけた支援者一人ひとりとハグをしながら、一歩ずつステージへ。食事中も一人ひとりに、気取らず、笑顔で素直な感謝を示した。
アーサー牧師と20年以上の付き合いがあるという人材能力開発会社の代表取締役CEOは「単なる頭でっかちな信仰ではなく、アーサー先生は信仰を実践している方」などと紹介。「本当に無事をお祈りしています。元気な姿で、どこまでも証しをしていただいて、そして、私たちにその証しを示していただければと思います。無事をお祈り致します」とエールを送った。
10年以上にわたってアーサー牧師を支援しているという広島県で食品製造会社を経営する代表取締役会長は、家族4人で壮行会に参加。「アーサー先生のことが大好きです。だから、応援させていただいています」と素直なメッセージをアーサー牧師に送り、日本横断時や四国一周時にも駆けつけたように、アメリカ横断でもどこかで駆けつけるかもしれないと予告した。
支援者からの応援エールの次には、泉水美保さん、小林貴子さん、三上勝久さんらゲストが歌のプレゼントを贈った。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれるという、アーサー牧師と同じ境遇で育った歌手の上原令子さんも特別出演。アーサー牧師の娘も急きょステージに登壇し、「アメイジング・グレイス」を上原さんと共に歌った。
壮行会の最後にはアーサー自身がステージに。自身が担ぐ十字架について「十字架というのは、あなたは愛されているんだよというメッセージ。どんな問題を抱えている者も、罪人も許されるんだよ。ピンチに立たされた時にチャンスを見い出せるんだよ。あなたが一人ぼっちでも、一人ぼっちじゃないんだよ」とアーサー牧師。自身初となるアメリカ横断については「一番俺が楽しんでいます。何を感じるか、どういう出会いがあるか」と大きな期待を示した。
最後には「人生って走り抜くんじゃないですよ。人生は歩み抜くんです。焦らず、慌てず、じっくり、ゆっくり、一歩一歩、歩けば必ずゴールに到着します」とアーサー牧師。「僕の行進が、その姿が、ブログを通してのメセージが、皆さんに励ましを与え、生きる意欲を与えていければ嬉しいなと思います。是非皆さんとともに歩くつもりで行きますので、応援してください」と語った。
アメリカ横断十字架行進は来月、ハワイからスタートする。3月5日から13日までハワイを歩き、現地の教会などで講演も行う予定だ。