【CJC=東京】世界文化遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について、バチカン(ローマ教皇庁)が登録を支援する意向を伝えた文書が長崎県の中村法道知事に届いた。
中村知事は昨年10月、バチカンに、「信徒発見」から150年を迎える2015年に教皇フランシスコの長崎訪問を要請、世界遺産登録への支援を求める親書をバチカンへ向かう神父に託した。
長崎県によると返書は2通届き、12月30日付はバチカン国務省総務局から「ご招待いただき感謝申し上げる」という教皇のメッセージを伝えていた。1月8日付はバチカン文化評議会議長のジャンフランコ・ラバージ枢機卿からで、下村博文文部科学相に世界遺産登録を支援する考えを文書で伝えたという内容。
教皇は1月15日、水曜恒例の一般接見で、長く激しい迫害の時代にも、洗礼によって脈々と受け継がれた日本の「キリシタン」の信仰を紹介した。教皇は「神の民のための洗礼の重要さを語る上で、日本のキリスト教共同体の歴史は模範となる」と述べ、禁教時代の日本の信者たちの苦難の歴史を語った。
西日本新聞によると、県世界遺産登録推進室の大崎義郎室長は「長崎に深い関心を示しておられ、力強い応援をいただいた」と受け止めている。