ラム氏は、「キリスト者の弟子として生きることの中心になるものは何か」と問いかけ、マルコによる福音書12章28節から34節を本文に、キリスト者が何よりも優先すべき3つの項目を挙げた。
第一は、全力を尽くして神を愛すること(同29~30)。「唯一の主である」(同29)との表現についてラム氏は、「その神だけを信じるという応答が求められる。そして人生の中心におられる存在であることが求められている」と説いた。「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして」(同30)については、「残り物がなくすべてを捧げて応答していくということ」と述べた。さらに、「半分の心や二心で従ったり、イエスに対する愛を他のものへの愛と同じように考えたりしてはいけない」と指摘し、「すべてのものを捧げなければゼロと同じ」と強調した。
第二は、犠牲を払ってでも隣人を愛すること(同31)。ラム氏は、「意識的に他の人を思いやり、その必要に注意を向けること」と説いた。「神は犠牲をもって愛を与えてくださった。それと同じように愛することが求められている」と強調し、「第一の掟と第二の掟は関連している」と語った。
ラム氏は、「あなたは、神の国から遠くない」(同34)とのイエスの言葉について、「まだ神の国には入っていないことを意味する」と説いた。その上で、「ここに問題がある。我々は2つの掟が大切であることがわかっても、それを本当にやり遂げることができない」と語り、キリスト者が優先すべき第三の項目として、「完全に主に信頼すること」を強調した。
第三の項目についてラム氏は、「この点において、クリスチャンの信仰は他の宗教と全く違う」と強調し、「聖書のメッセージは、私が何かをするということではない。どういうことがなされたのかということ。神にすべてを明け渡して生きていくが、私たちが神を愛して隣人を愛することはすべて、イエス・キリストがすでに成し遂げて下さったという土台の上に立っている」と説いた。ラム氏は、天国に入ることの意味について、「王なるイエスを受け入れること」と力を込め、「ただイエスの教えを受けるだけでなく、神の権威のもとにすべてを明け渡していくこと。悔い改めて信仰をもってイエスを通して罪の赦しを受け取っていくということ。聖霊の助けを受けて、神の民として生きていくということ」と説いた。
最後にラム氏は、「神の掟に従って生きるなら、本当の自由を味わうことができる」とキリスト者の自由(ガラテヤ5・13~15、ヤコブ2・12)を説き、「イエス・キリストに信頼して、聖霊によってイエスの命を知るならば、2つの命令を守る力をいただいて歩むことができる」と強調した。
大会は21日まで3日間の日程で行われる。午後7時からの聖会では、聖書協会世界連盟総裁のロバート・カンビル(Robert Cunville)氏が講演した。