一流の音楽奉仕者にして、一流のアーティスト。本格的なプロの技術を持って礼拝のために音楽奉仕をするスペシャリストの育成を目指し、昨年、「日本宣教音楽学校」(Japan Mission Music School、JMMS)から「ゴスペル音楽院」(Gospel Music Academy、GMA)に改称した同校のジョシュア佐佐木学長に話を聞いた。
「音楽奉仕者は一流のアーティストであることが最低条件」と佐佐木学長。一流の講師陣、少人数制による徹底した技術指導、現場での実践重視と本格派ゴスペルミュージシャンの育成を目指す同院の高い目標と意気込みを語る。
ゴスペル音楽院では、アーティストコース、ディレクターコースの2コースからなる本科(2年制)、本科の上位コースとしてのプロフェッショナルコース(1年制)、さらに現場での実践的なトレーニングを行うインターンシップ(1〜2年間)を設置。専攻は、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ピアノの学科を揃えている。
各コースは芸術的、知的、霊的にバランスの取れた音楽家の育成を目指すため、「授業」「レッスン」「実践・現場主義」の3つの柱で展開される。本科は午前10時から授業が始まり、終るのは夕方5時と本格的な全日制の総合プログラムだ。本科の生徒は若者が中心で、それぞれの夢を持ちながら真剣に学んでいる。佐佐木学長は、「生徒一人ひとりを育てるのは想像以上に大変です」と手ごたえを明かした上で、「(各生徒に)神が与えた賜物を伸ばし、それを生かしてよい働きができれば」と希望を語った。
社会人や遠方の人など時間、通学の面で全日制で学ぶのが難しい人々のためには、賛美奉仕者養成塾を開いている。これには、「夜間コース」と「集中コース」がある。夜間コースは1年間に計30日、毎週火曜日の19〜21時に授業を受ける1年制コース。ワーシップリーダー、ギター、キーボード/ピアノの3コースが設置されており、全コース共通の授業と、各コース別の実践授業を毎週行う。集中コースは毎月1回、第4木・金曜日に授業が行われる。金曜日の授業後には、同学院のミニストリー、ワーシップ・ジャパンが今年から始めた「金曜礼拝」にリハーサルから参加し、礼拝奉仕の実践を学ぶ。
「地域教会がより魅力的な礼拝を主にささげるために必要なことを、徹底的に、現実的に学ぶことが出来る塾です」と佐佐木学長。参加者からは「遠方だったので諦めていましたが、集中コースで充実した学びが出来て嬉しいです」、「学んだことをすぐ教会奉仕で生かせるので、とても役に立っています」と好評だ。遠くは福岡県から学びに来る人もいる。
現在、同学院で学ぶ本科生は16人。全コースを合わせれば約40人が学んでいる。講師には、岩渕まこと(ギター、作詞作曲他)、ピアノコウジ(キーボード実践他)、久米小百合(アーティスト論)、森祐理(同)、永井信義(教会音楽管理他)ら約30人が名を連ねる。
「日本全国にある7800のすべての教会が豊かな音楽で礼拝をささげるためには、少なくとも7800人の優秀な教会音楽家が必要」と、佐佐木学長は日本の教会音楽を支える優秀な人材を育成する意義を語った。
ゴスペル音楽院のミニストリー、「ワーシップ・ジャパン」も活発に活動している。金曜礼拝の企画・運営を始めとして、毎年夏に約1週間にわたって各地の教会を回るワーシップライブツアー、ライブイベントの企画制作、CD、DVD、楽譜の制作など様々な音楽宣教を手がける。今年のライブツアーは「サマーツアー2007」と題し、西日本の6つの教会で計7つのイベントを開催する。9月からは金曜礼拝を兼ねて、毎月第3金曜にクリスチャンバンド、一般の大学・高校生バンドを招いてのロックイベントを始めることも計画中だ。
佐佐木学長は、使徒の働き2章47節「神を賛美し、すべての民に好意を持たれた。主も毎日救われる人々を仲間に加えてくださった」を引用し、福音を委ねられているキリスト者が、多くの人に好意を持たれるほど、より魅力的で、よりすばらしい礼拝をささげるべきであると、礼拝における音楽の重要性を説いた。ゴスペル音楽院の詳細は公式サイト(http://www.gos-on.com)、ワーシップ・ジャパンの詳細は公式サイト(http://www.worship-japan.com)まで。