世界教会協議会(WCC)はパキスタン政府で適用されている冒とく法の濫用についての公聴会を後援し、パキスタン政府に対し、現実的かつ具体的な冒とく法濫用に関する検証を行うことで、同国の著しい人権濫用の改善を要求した。
「パキスタン冒とく法の濫用と宗教少数派」に関する公聴会はスイスジュネーヴで17日から19日の3日間にかけてWCC国際関係委員会(CCIA)によって開催された。
冒とく法はパキスタンの刑法の一部として制定されている。WCC委員会では1980年代に修正された冒とく法について、「あいまいに制定されており、警察や司法当局による自由裁量に任せられてしまう」ものである一方、「パキスタンで最も刑罰が厳しい刑法のひとつである」と非難していた。
公聴会参加者にはキリスト教徒以外にもイスラム教徒、ヒンズー教徒および市民社会運動家などが参加し、パキスタン政府に対し、「冒とく法で生じる悲劇的な結末についてただちに詳細な検証をする委員会を設立し、現状の冒とく法濫用による困難で恥ずべき状態から抜け出す道を提示するべきである」と要求した。参加者らはさらに、「市民社会がどう委員会を支援し、どのように冒とく法検証の具体的段階が進んでいるのか監視していく必要がある」ことを確認した。
公聴会では多様なパキスタン政府が冒とく法を検証するための行動計画について議論された。CCIAディレクターのマシューズ・ジョージ・チュナカラ博士は、「CCIAはこれまでパキスタンにおける宗教少数派の諸権利の濫用および冒とく法の濫用について多様な段階において調査、公表するためにWCCを通してアドボカシー運動、戦略を促進し、同国の問題を解決するための様々な問題解決のための優先事項を決定するために導く役割を果たしてきました」と述べている。