日本福音同盟(JEA)は6月4日から6日まで、第27回総会を静岡県掛川市で開催した。代議員ら130人が出席し、2012年度の事業計画案を決議した。事業計画では、前年度に続いて東日本大震災の復興支援に重点を置きつつ、2016年の第6回日本伝道会議(JCE6)に向けた取り組みにも焦点を当てた。
復興支援についてJEAはこれまで、11年度に第一次支援としてJEA加盟または関係の約120の被災教会に教会8万円、牧師家族5万円の一律見舞金を支援したほか、第二次支援として、昨年9月から今年3月までの7カ月間、経常会計の落ち込んだ7教会に対して月総額43万円を支援してきた。さらに12年度に入り、教会建物の再建、修復に対する支援として200万円、100万円、20万円の3段階に分けた総額約2千万円の第三次支援を進めている。今後は会員や協力会員からの推薦があれば、JEA加盟以外の団体や単立教会なども必要に応じて支援の対象とする方針だ。
また、地域の必要に応じた支援のカギとなる被災地域の教会ネットワークについて、500万円の予算枠で支援することを盛り込んだ。さらに、今後の災害に備える取り組みとして、災害対応チャプレン・プログラムと地域教会の災害対応支援プロジェクトを、援助協力委員会とホィートン大学人道的災害支援研究所(HDI)の共同プロジェクトとして進めていく方針を示した。
災害支援に関わる情報集約については、昨年11月の日本福音宣教師団(JEMA)の宣教会議、東日本大震災救援キリスト者連絡会(DRCネット)の地域ネットワーク会議で発案され、クラッシュ・ジャパンIT部門の協力で進められている情報集約プロジェクトに協力すると同時に、HDIと協力し、次の災害時に備えて新しい情報集約システムの開発に取り組む。
宣教協力の推進については、今年10月に「宣教フォーラム仙台」を仙台青葉荘教会で開催し、今回の震災と復興支援を通じて日本の福音的諸教会が学んだことや課題などを共有し、深める場を提供していく。原子力発電の問題については、理事長声明に加え、神学委員会と社会委員会からも声明を発表する方針を示した。
総会では、第1日目夜に「東日本大震災から考える宣教・教会協力」と題して福島県キリスト教連絡会委員長の木田惠嗣氏、相模原教会ネットワーク災害支援プロジェクト事務局長の阿部信夫氏、救世軍震災支援事務局長の石川一由紀氏が発題し、出席者全員で震災復興のために祈りをささげた。
JCE6については、開催地を神戸に決定した。また、2日目午後には「JEC6に向けて、日本宣教の課題」と題して、各専門委員会からの発題の後、小グループによるディスカッションを行った。この内容は実行委員会に引き継がれる。
JCE6に向けた取り組みとして11年度には、7月に青森県キリスト教会会議主催の「宣教フォーラム青森」、10月末に宣教委員会主催の「宣教フォーラム秋田」が開催された。12年度には、6月に女性委員会主催の「心のオアシス・リトリート」、9月に青年委員会主催の「日本青年伝道会議」、10月末には「宣教フォーラム仙台」が予定されている。また、実行委員会の組織については、4月の理事会で実行委員長に竿代照夫氏、プログラム局長に小平牧生氏、事務局長に畑中洋人氏の就任を承認した。この他に開催地委員会委員長、財務担当、渉外担当の3人の副実行委員長などが加わり、7月に実行委員会が発足する予定だ。
JCE5の青年プロジェクトから企画が始まった「日本青年伝道会議」は、「Reach The Young!~分かち合おう、青年宣教の Vision~」をテーマに掲げ、9月17日から19日まで東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される。03年の「すっと青山」、05年の「すっと関東」、09年の「すっとEZRA」などの流れを受け継ぎながら、若者への宣教とリーダーの育成を目指す。聖書講演講師は、日本ホーリネス教団委員長の郷家一二三氏、東京基督神学校校長の山口陽一氏。青年大会講師は、日本バプテスト教会連合理事長の米内宏明氏、元日本福音キリスト教会連合宣教教会伝道師の小澤由紀恵氏。
事業計画では、国際関係として、年末に米国セントルイスで開催される国際会議「アーバナ12青年宣教大会」への参加、また、世界的なグローバル化の流れの中で注目されるディアスポラ宣教、マーケットプレイス宣教にも、宣教委員会を中心として関わる方針を示した。ディアスポラ関係としては、11月に「ANRC(All Nations Returnees Conference)2012」が静岡県掛川市のヤマハリゾート・つま恋で開催される予定だ。