14日、中国江蘇省南京においてCCC会長の高峰(ガオ・ファン)氏が講演を行い、「中国人民共和国における教会成長には独立性、自主性、脱教派的、急成長という4つの特徴を有しており、激動と新たに生じている困難の最中に直面しています」と述べた。
峰氏は南京で開催された第51回WCC国際関係委員会(CCIA)の会議の中の「今日の中国教会」に関する「中国の理解」分科会において「中国キリスト教徒の人口は急増しています。多くの困難に中国教会は直面しています。多くの地域に属した草の根教会では、正式に按手を受けた牧師が存在していません。そのため正式な神学教育を受けていない一般の信徒が教会を管理し、日曜日に説教をしなければならない状況にあります。さらに神学校には教師が不足しており、また図書館の蔵書も不足しています。文化革命後、特に1980年代初期から中国政府の宗教政策は変化が見られてきました。そのため諸教会が活動を再開し、神学校を新設、閉校していた神学校の再開や聖書の印刷ができるようになりました」と説明した。
同委員会において中華人民共和国国家宗教局副局長の蒋堅永(ジャン・ジャンヨン)氏は、「宗教的調和が中国になければ、社会的調和も社会の中に存在せず、そのような背景から中国政府は諸宗教が調和的な社会を発展するための役割を認識し、奨励しています。中国政府は調和のとれた社会を形成していくための宗教のあり方を呼び掛けています。そのためにも、一つの宗教の中で調和がとれていることが前提条件となります。異宗教間の調和、宗教と社会が秩序ある平和のために調和して存在することで、諸宗教と国家が調和して行くことが必要になります」と述べた。
さらにジャンヨン氏は中国政府はすべての宗教に対し信仰活動の自由を認めているものの、宗教活動が国家政策に影響を与えず、中国政府の問題とならないことを望んでいることを伝えた。中国には支配的な位置づけとなっている宗教は存在せず、すべての宗教が平等に扱われているという。そのため中国政府は「国家として一つだけの宗教を助長させたり、撲滅させたりすることはできない」という。
ジャンヨン氏は2003年にスイスジュネーヴにあるWCC本部を訪問している。WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト博士は、今回のCCIA委員らとの中国訪問を通して、南京神学校の教授陣および学生らに対し「中国の教会はキリストの体、グローバルな諸教会の一部です」と述べた。