福島県内の70のキリスト教会が協力し、復興支援コンサート・聖書講演会「ホープフクシマ2013Withウィル・グラハム」が28日、福島県郡山市の郡山女子大学建学記念講堂で開かれた。市民ら約1000人が集まる中、米国の著名伝道者ビリー・グラハム(Billy Graham)氏の孫にあたる伝道者ウィル・グラハム(Will Graham)氏が聖書の福音を伝えた。
長野パラリンピックの開会式にも出演したゴスペルシンガーのレーナ・マリア(Lena Maria)や、映画「ライオンキング」の曲を歌ったアルフィー・サイラス(Alfie Silas)など国内外の著名アーティストが出演し、圧倒的なパフォーマンスで会場を盛り上げた。
レーナ・マリアは、生まれつき両腕がなく、両足の長さも違う。3歳から水泳を始め、18歳でスウェーデン代表選手として世界障害者水泳選手権に出場。同年の世界選手権大会で金メダルを獲得、1988年のソウルパラリンピックで入賞するなどの好成績を収めた。その後はゴスペルシンガーとしての道を歩み始め、ストックホルム音楽大学を卒業後、世界各地で演奏や講演会を行い、現在も多くの人々に感動を与え続けている。
この日は、賛美歌「輝く日をあおぐとき」「主は今生きておられる」や、大好きな日本のために自身が作曲したオリジナル曲などを披露。最後は「ユー・レイズ・ミー・アップ(You Raise Me Up)」を熱唱した。
「私たちが苦しんでいるとき、傷ついているとき、一番必要なものは愛」と述べ、「私は神様から与えられた愛と喜びと力によってとても力づけられ、人生を大きく動かされました。私も大変なところを通ってきましたが、それでも人生はよいものだと言えます」と神の愛の力を証言した。
アルフィー・サイラスは、震災後、被災地で慰問コンサートを開いてきた。この日も、「上を向いて歩こう」「ふるさと」などの日本の名曲や、「主われを愛す」などの賛美歌を日本語で歌い上げると、会場からひときわ大きな拍手が沸いた。「みなさんにも知っていただきたい。イエス様はみなさんを愛し、この世に来てくださいました」と神の愛を語り、「私はイエス様のことが本当に大好きです」と自身の信仰を告白した。
ウィル・グラハム氏は、「神様はあなたを愛しておられる」と幾度も強調し、「私たちが創造されたのは、神様と私たちが個人的な親しい関係を持つためだ」と説いた。そのうえで、「罪なるものがその関係を壊した」とし、「罪とは、神を忘れ、人生のすべてを自分でコントロールしようとすること。神様との関係が壊れるとき、私たちは喜び、平安、人生の目的を失ってしまう」と語った。
グラハム氏は、「イエス様が私たちの身代わりになるためにこの世に来てくださった、これこそ人生でもっとも意義ある知らせ」と強調し、「あなたはもはや神から引き離されている必要はない。この夕べ、神を知ることができる」と信仰の決心を促した。
講演後、グラハム氏の招きに応答し、この日新しく信仰をもった多くの人々がステージの前に進み出て、信仰の決心を表明した。