雲海のかなたに
-
雲海の彼方に(14)謝辞と私の近況 高橋幸夫
実は、私は末期ガンです。昨年の8月の中旬に医師から、「末期ガンです。手術は出来ません。余命は数ヶ月でしょう」と告知を受けました。
-
雲海の彼方に(13)YA・KU・SO・KU 高橋幸夫
「かあさん、次は君をきっとヨーロッパに連れて行くからね!」「えっ、ホント、嬉しいわ! 楽しみだわね・・・」妻にこんな約束をしたのはバブル経済が華やかりし頃だった。
-
雲海の彼方に(12)忘れかけていた風景 高橋幸夫
秋の日の午後、白いちぎれ雲が林の上に浮かんでいる。野鳥のさえずりが、どこからともなく聞こえ、赤とんぼが、そこかしこに飛び交う。畔道(あぜみち)に群生する秋桜(コスモス)が、青空をキャンバスにして穏やかに揺れている。
-
雲海の彼方に(11)双子座流星群と子犬 高橋幸夫
冬至を一週間後にひかえた肌寒い朝。新聞の「双子座流星群あすの夜ピーク」という見出しが目に留まる。冬の夜空を彩る双子座流星群が12月13日にピークを迎える、とある。
-
雲海の彼方に(10)天国の義母への詫び状 高橋幸夫
「お疲れ様でした。義母さんの笑顔を何時までも忘れません。有り難うございました」。この言葉は、義母さんの棺に入れた寄せ書きの中の私の言葉です。
-
雲海の彼方に(9)泥付き大根 高橋幸夫
「あら、泥だらけの大根、どうしたの?」「いやあ、散歩していたらさ、畑でね、農家の人に貰っちゃったのさ。あーあ、疲れた!」「・・・・・・」。私の片手にぶら下がった一本の泥付き大根を目にした家内は、少々驚きの色を見せながらも、喜びの表情を隠せないでいた。
-
雲海のかなたに(8)団塊のかけら 高橋幸夫
「感謝しなさいよ。幸夫。博子さんだから耐えられたんだからね。えらいよ、本当に!」。最近、母が私に決まって言う台詞(せりふ)だ。この一言で、私には、長い間封印しておいた筆舌に尽くし難い記憶が蘇(よみがえ)ってくる。
-
雲海のかなたに(7)父の十八番の黒田節 高橋幸夫
微笑む父の遺影の前にべっこう色に鈍く光っている一本の尺八がある。私の父が、生前こよなく愛したものだ。今は、吹く主も無く、辺りには寂寞の臭いが漂っている。
-
雲海のかなたに(6)自然児のように 高橋幸夫
あれは確か、23年前の正月。門松がとれた頃だった。「おーい、お風呂のお湯がないぞー!」。入浴しようとした父が震えるような声で怒鳴っていた。
-
雲海のかなたに(5)星の瞬く大地に 高橋幸夫
冬至を間近にした夜。私は、庭に出て濃紺の夜空を見上げた。今年もふたご座流星群が、夜空を彩るらしい。
-
雲海のかなたに(4)熱帯雨林とジャワコーヒー 高橋幸夫
冬のある日、花模様のコーヒーカップから淡い湯気が渦を巻きながらゆらゆらと立ち上っている。その湯気を何気なしに眺めていると、ふと懐かしい昔の記憶が蘇ってきた。
-
雲海のかなたに(3)初産 高橋幸夫
キンモクセイの馥郁(ふくいく)とした香りが漂う爽やかな初秋の日の午後。最近、とんと聴かない懐かしい歌が耳に飛び込んできた。
-
雲海のかなたに(2)父の投網漁 高橋幸夫
戦後間もない頃、私はまだ小学生だった。父は、時折、荒川に小舟を出して私を投網漁に連れて行ってくれた。東京の下町で地方公務員をしていた父の週末の楽しみは、投網漁であった。
-
雲海のかなたに(1) 高橋幸夫
冬の凍てつく夜空に、星の光と見紛うばかりの小さなライトを点滅させながら、夜行便のジェット機が、果てしない暗闇の中に消えていく。そのかすかな光跡をただぼんやりと眺めていると、25年前の懐かしい記憶が私の脳裏に蘇ってきた。
人気記事ランキング
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
世界福音同盟、次期総主事の公募開始 10月のソウル総会で正式に就任へ
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
全盲の福音歌手・ピアニスト、北田康広さんの自伝書『音の光』が新装改訂
-
ミャンマーのカトリック神父刺殺、教会で一人のところ襲われる 武装男ら10人逮捕
-
神の御心を行う者となろう 万代栄嗣
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
リック・ウォレン牧師、十字架にまつわるSNS上の政治的投稿を削除し謝罪
-
全盲の福音歌手・ピアニスト、北田康広さんの自伝書『音の光』が新装改訂
-
ミャンマーのカトリック神父刺殺、教会で一人のところ襲われる 武装男ら10人逮捕
-
良い心配と悪い心配 菅野直基
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
リック・ウォレン牧師、十字架にまつわるSNS上の政治的投稿を削除し謝罪
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
ミャンマーのカトリック神父刺殺、教会で一人のところ襲われる 武装男ら10人逮捕
-
良い心配と悪い心配 菅野直基
-
全盲の福音歌手・ピアニスト、北田康広さんの自伝書『音の光』が新装改訂