【CJC=東京】「パキスタン・テレコミュニケーション・オーソリティー(PTA)」が、携帯電話各社に、「イエス・キリスト」など「不快」な言葉を含むメッセージの阻止を指示した。
PTAから禁止される語句と表現を列記した「辞書」が送られてきたことを、「テレノル・パキスタン」と「Uフォン」社が、英公営BBC放送の取材に、確認した。PTAは、メッセージ検閲の11月21日開始をオペレーターに指示したという。
検閲指示が明らかになったのは、PTAのムハンマド・タリブ・ドゲル氏のものと見られる11月14日付け書簡がメディアに漏れたため。
「英・パキスタン・キリスト教協議会」のウィルソン・チョウドリ議長が、米宣教通信『アシスト』に、禁止語の中に「イエス・キリスト」がある、と伝えた。
「リストの中にイエス・キリストの名が含まれているということは、パキスタンでキリスト者に対する強烈な憎悪の一例だ」とチョウドリ氏。「イエス・キリストは、イスラム教の聖典『コーラン』では偉大な預言者とされているのに、それを反イスラム的とする意味が分からない。パキスタンのイスラム教主流派は、自身の預言者の1人に対する愛よりキリスト者への憎悪の方が強いということだろう」と言う。
チョウドリ氏は「パキスタンでは携帯電話使用が急増しており、その中でキリスト者がメールに「イエス・キリスト」という表現を使う人がどの程度いるか、さらには使った場合の罰がどんなものになるのか、心配だ」と指摘している。