「大きな声で亡霊を追い払うこと」それがアルバム「Economy」のタイトルの由来だ。自然的発達や新発展の曲を手掛けるマクミランの最近のアルバムでは、死と復活というテーマからは離れ、現在と後の世の不安な谷間に住もうとしている人の心理を表現している。
「僕にとって、子どもが生まれたり、仕事が成功したりするのが最高の日だけど、それは愛する人の死や友人の離婚など、最悪の日と一対になっているんだ。僕たちは生きることに緊張しているんだよ」とマクミランは語った。
その緊張は「Economy」の中で衝撃的に表現されている。アルバムの一番目の曲「Sheet of Night」の最初のドラムの音から、最後の曲「Seen a Darkness」のポストロックの不協和音まで、全曲に浸透している明らかな影響力がある。それは、父と子と聖霊の存在のように、ずっとディランやケルアック、スプリングスティーンを崇拝し続けた音楽なのだ。
「Economy」は栄光と恥辱、殺人や気品、闇と光の間を表現したアルバムだ。優雅な美しさの「Love You Swore」、乱暴な論調の「Daylight」、静かで真面目さの漂う「Murdered Son」といった曲を聴けばそれが分かる。
米国ノースカロライナ州が生んだソングライターは進歩を続けており、「Economy」も人々を失望させることがない出来に仕上がっている。叙情詩的で優れた音響の同アルバムは、マクミランのバンドやプロデューサーのジャーミー・グリフィス氏やジョエル・ホウリ氏によって制作された。
そのチームは、マクミランのための綿密で完璧な伴奏や「not as it should be」という世界の情熱的な幻想をも作り出している。しかし、それは彼が世界の破滅を歌っているということではない。彼は「Economy」で、「壊れた気持ちと偽造の流行」よりも「何かへの希望」が広がっていくことを示しているのだ。
同アルバムの最後の曲「Seen A Darkness」でマクミランは歌っている。夜に我々の霊同士が出会い、暗闇の中で互いに知り合って、愛という情熱が体中を包み込み、墓の中からすぐに生まれ変わる。そして我々は日中に出会えるのだ。
アルバム「Economy」の収録曲は以下の通り。
1. Sheet Of Night
2. Daylight
3. Heart Bleeds
4. Love You Swore
5. Murdered Son
6. Economy
7. Who Is This
8. Sins Are Stones
9. Chemicals
10. Seen A Darkness