先週一週間にわたってスペイン首都マドリードで開催されたローマカトリック教会の青年カトリック教徒向けの大会「第26回ワールド・ユース・デー(WYD)」には世界中から140万人もの青年カトリック教徒らが集った。
プロテスタント、正教会、聖公会など120カ国以上から340以上の教会の会員が所属し、エキュメニカル運動を促進する組織で、ローマ・カトリック教会とも密接な関係を築いてきた世界教会協議会(WCC)もWYDに3名の代表者を公式に派遣した。25日、WCCが伝えた。
WCCから3名の代表者がWYD本大会に派遣されたことには、それぞれ異なる働きに関わり、教会の一致に関する課題に取り組む中にあって、ローマカトリック教会の青年信徒たちの動きや発展の状況を理解する貴重な機会となった。
WYDでは二つのエキュメニカルイベントが国際青年カトリック学生部(IYCS)、国際カトリック学生連盟(IMCS)、パクス・ロマーナおよびWCCの共催で開催された。「青年とキリストの一致への模索」と題したワールドカフェでは、約200人のクリスチャンが参加し、エキュメニズムに関する課題について議論が行われた。歴史上で生じたキリスト教の分裂や現代エキュメニカル運動における対話、青年たちのエキュメニカル運動に関する生涯における関わり方やWCCの活動について話し合われた。
ワールドカフェではローマカトリック教会およびWCCに所属する青年クリスチャンらが、今日の青年クリスチャンが抱える課題についてジョイント・ワーキング・グループを形成して話し合った。東方正教会から参加したクリスチャンが、今日において教会の一致が何故問題になるか、エキュメニカル運動の歴史、および青年クリスチャンらが社会的責任の一部を果たすために共に何ができるかについてプレゼンテーションを行った。
聴衆の大半はローマカトリックの青年信徒らであったため、互いに「教会の一致」に関する異なる理解の仕方がされていることについて考えを共有した。さらにローマ教皇の世界諸教会に果たす役割や使命、ローマ教皇の歴史上での理解のされ方についても議論の課題として挙げられたという。またローマカトリック教会とプロテスタント教会の対話に関する現状での問題について質疑応答がなされ、どのように双方間の対話に関して青年クリスチャンらが関わっていくことができるかが議論された。
IYCSのプログラムコーディネーターのルシル・アルカラ氏は「私たちは今回のイベントを通して青年カトリック教徒の巡礼者たちが異なる見解を共有し、青年たちの間でより深い教会一致に関する理解が得られたと信じています。さらに異なる宗派の青年クリスチャン団体が共に活動していくことが奨励され、あらゆるレベルで全教会一致の行動が促進されたと思います」と感想を述べた。
WYDではもう一つエキュメニカル運動のためのイベントが開催され、同イベントではエキュメニカル対話における霊的な基盤と教会の一致のために活動することが青年クリスチャンの信仰にどのように影響するかが話し合われた。WCCからはメソジスト教会およびルーテル教会の会員が出席し、エキュメニカル運動を行ってきて彼らの信仰生活がどのように変化していったかについてカトリック教徒らと見解を分かち合うことができたという。
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