従来伝統的な米クリスチャンの家庭においては、家族の中の母親が霊的な中心者として機能していたが、現代の米クリスチャン家庭の間では、そのような土台が崩れてしまっていることが家庭全体のキリスト教離れをも促してしまっていることが懸念されている。
特にここ20年間の間で米女性の信仰の在り方に大きな変化が見られたことが調査結果から示された。今日の社会に生きる米女性の中で毎週の礼拝に出席し、日曜学校に通う人の数は減少しており、また聖書を日常的に読んでいる女性も減少していることが示された。またキリスト教の信仰が人生において重要なものであると見なしている女性も減少していることが示された。
バルナレポートによると、ここ20年間で神様が世界を創造され、全知全能の宇宙の統制者であると信じる女性の数は明らかに減少が示されたという。
バルナレポートでは「かつて女性たちは男性たちよりも聖書的信仰が深く信仰的振る舞いをしていたために、男性がそれに恥じているような姿がありましたが、現代米国社会においては男女における信仰的振る舞いの差はほとんどないといっても過言ではないでしょう。この20年間で多くのアメリカ人がさまざまな信じるべきものを模索してきましたが、特に女性たちは男性達よりも急激に自身の持つべき『信仰』の在り方について革新してきたといえるでしょう」と述べた。
また大人になって自分の意思でキリスト教を信じるようになったボーン・アゲインクリスチャンの女性の中で、教会の日曜学校や聖書をきっかけに信じるようになった女性の数も減少しているという。
調査結果からバルナレポートは「米教会はもはや毎週の説教を聞く継続的な礼拝参加者として女性をターゲットに置くべきではありません。事実聖書を日常的に読む人の割合は現代米国社会において男女差はほとんど見られませんn。この20年間で米男性で日常的に聖書を読む人の割合は1パーセント増の41パーセントとなった一方、米女性では10パーセント減の40パーセントとなってしまいました。主日礼拝に出席する男性の割合は6パーセント減となる一方、女性は11パーセントも減少してしまいました」という。
調査結果ではこの20年間で米男性の信仰の在り方にあまり変化は見られなかったものの、米女性の信仰の在り方が急激に変化してきたことが示された。むしろ男性の方がこの20年間において信仰を保ち、あるいは信仰を高めるようになっている傾向も示されているという。
これらの結果から調査を行ったジョージ・バルナ氏は「教会はこのような急激に変化する米社会の実態に基づいて、信仰を回復させるための大胆な行動を取って変化していかなければならないのではないでしょうか。伝統的諸教会が気付いておかなければならない最も恐ろしい現実は、今まで米家庭においてもっとも信仰や精神的よりどころとなる存在となると見なされてきた女性たちがもはや教会に信仰のよりどころを置かなくなってしまっているということです。そのような婦人たちが教会に日常的に存在するという光景はもはや過去のものとなってしまっていることを認識しておかなくてはならないでしょう」と述べた。
バルナレポートでは米女性の信仰離れについて「もし女性が米社会の伝統的主流派教会から足を遠のかせるようになってしまうのならば、教会のミニストリーはより男性にターゲットを絞った企画を創出するべきなのでしょうか?もし女性が教会の活動の中心的役割から足を遠のけるようになれば、男性がその分を負担してさらに教会発展のための活動を精力的に行うべく圧力をかけられることになっていくのでしょうか?私たちはこのような時代の変化や今日の社会のニーズを敏感に察知し、今日の社会の人々が教会に力強く関わっていくことを促すために具体的に何をなすべきか把握し、そのための大胆な行動に出ていかなければならないだろう」と述べられていた。
バルナ氏は「教会ミニストリーはより男性の需要に応えるプログラムを作っていかなければならないでしょう。そして男性は今後より教会奉仕の重荷を担うプレッシャーを与えられるようになっていくでしょう」と述べている。
今回の調査は1621人の無差別に選別した成人に達した米国人をターゲットに行われた。調査項目では14の宗教的な問題を投げかける質問が用意されたが、そのうち10の質問について20年前に比べ女性の方が男性よりも大きな回答の変化が示されたという。
特に回答の変化から、女性がこの20年間で宗教的活動にあまり関わらなくなってしまったこと、聖書的教えから離れた信仰をもつようになってしまったことが示されたという。
米バルナ・グループでは1984年から米国民の価値観・信条・社会的態度や振る舞いを理解するための調査を行っている。