【CJC=東京】エジプトのギザ近郊タルビヤの聖マリア聖ミカエル教会の建設を認めない当局に対し、キリスト者(コプト教徒)が抗議行動を行なったところ11月24日午前3時ごろ公安当局が5000人規模で出動、信者2人が死亡、負傷者数百人を出し、200人以上が逮捕された、とアッシリア国際通信(AINA)が報じた。
当局側は催涙ガス、ゴム弾丸の他実弾も発射した模様。イスラム教徒も加勢して教会に投石したという。
信徒の1人ワギ・ヤクウブ氏は「カラス神父が、外に出て、子どもがいるから催涙ガスを止めるよう要求すると、1発が神父の足に命中した」と言う。
エジプト人権連合のナギブ・ゴブリアル会長は、カスル・エルアイニ病院に収容された信者93人は皆銃撃され、破裂により眼球が傷ついている、と言う。
事件は当局側が同教会の建設を認可したにも関わらず、差し止めようとしたことから11月11日に発生した。続いて22日にギザ県知事が現場を訪問、再申請すれば建設を認める、と発言した直後の出来事。
今回のようなコプト教徒の抗議はエジプトでは稀だが、背後には、多数派のイスラム教徒には優遇措置が講じられるものの、少数派コプト教徒に対しては差別がある、との感情的な不満もある。