6月第3日曜日の19日「父の日」にオバマ米大統領は、家族の中で父親の果たす役割に敬意を表した。米クリスチャン・ポスト(CP)が報じた。
オバマ米大統領は、血のつながった父親としてであっても、父親の代わりとしてあるいは「メンター」としてであっても、これらの「父親的役割」を果たす男性たちの役割が子どもたちの人格が良く形成されていくのに重要な役割を果たしているとし、「すべての家庭はそれぞれ異なっていますが、私たちの人生において父親やそれに代わるメンターの役割をする男性たちは、子どもたちに無条件的な支援や薫陶、愛を与える重要な役割を担っています」と述べた。
オバマ米大統領は、それにもかかわらず多くの子どもたちが彼らの人生において「父親的存在」の果たすべき本来の役割を知る事なしに成長している事実があることにも言及し、「そのことが後々の人生に響く『心の穴』を空けてしまっています。父親的役割が欠如していることは、1日中ダブルシフトを組んで働き、子どものための糧を備え、ひとりで子供たちの世話をするシングルマザーたちにも影響を与えています。そして父親的存在の役割が欠如し、少年たちが男性の指導者による啓もうなく成長してしまっていることが、私たちの住む米国社会全体にも影響を与えてしまっています」と述べた。
オバマ米大統領自身も、2歳のときに父親と別居せざるを得なくなっており、個人的にも父親なしに育ってきたことが自身の個人的成長に影響を与えてきたという。18日の週刊ラジオ演説において、オバマ米大統領は「父親がいないということが自分の人生に影響を与えてきたのを感じています。もし父親が生きていて、自分の成長に大きな影響を与える存在であったならば、私の人生はどのようであっただろうと思うことがあります」と証しした。
オバマ米大統領はハワイ州ホノルルでシングルマザーの手で育てられた。その後インドネシア人と母親が再婚したのをきっかけに、インドネシアに移住、インドネシアで数年を過ごした後、ハワイに戻り、母方の祖父母の下で育てられた。
オバマ米大統領自身が父の愛を受ける機会が乏しかったこともあり、オバマ米大統領は男性がより良い父親としての役割を果たすための支援に強い関心を示している。
昨年の「父の日」には、オバマ米大統領は「父親による家庭教育イニシアチブ」を発表し、家庭内の父親がより責任ある父親の役割を果たしていくため、および家庭に関心を示さなくなった父親が再度子どもたちの生活に深く関わるための支援への取り組みを始めた。オバマ米大統領自身も現在は二人の娘の父親となっている。
米キリスト教団体フォーカス・オン・ザ・ファミリー会長のジム・ダリー氏もシングルマザーの家庭で育てられた。同氏はオバマ米大統領の良き父親を育てて行く重要性に共感を示しており、「毎日我が国の父親たちはそれぞれの家庭がより良い将来を育んでいくためにすべてを与えていかなければならない状況にあります。何も見返りを求めずただ彼らの子どもたちへの愛と彼らの成功のためにそのような姿でなければなりません。『父の日』にあって、私たちは私たちに益となる人格を形成するのに貢献されてこられた父親の役割をされる男性方に敬意を表します。私たちはこの日を機に、それぞれのご家庭、私たちの共同体そして米国全体において父親の果たす役割を力強くサポートしていこうと思いを新たにしています」と述べている。