これは「コミットメント」の問題です。限られた情報の中で活動しなければなりません。結婚するにしても、新たなキャリアを築くにしても、あるいはこれまでの安定した仕事を辞めてあなたの大志を追求するにしても、まずはあなたができる限りの最善の情報を集め、次に行動に移さなければなりません。もし行動に移さないなら「机上の空論」で終わってしまいます。
数年前、スコットランドの登山家でライターでもあったW.H.マレーの名言を発見しました。彼は、「ひとつのことにコミットするまでは、どうしても躊躇し、後戻りする機会を伺おうとする。このような行為は全く非効率的である。多くのイニシアチブや創造性に関する行動に関して、ひとつの単純な真実がある。躊躇することで多くのアイデアや素晴らしい計画案を殺すことになってしまう。ひとつのことに絶対的にコミットするときに、神の摂理も動き出すのである。ひとつのことにコミットするとき、それまで決して起こり得なかったような不思議なことが生じるようになる。決断しなければならない諸課題や会議・物質的支援などすべてのことにおいて誰も思いもしなかったような方法で解決の道が開かれるようになる。ゲーテの名言『自分にできること、あるいは夢に思い描いていることはすべて実行に移すことだ。大胆であれば、非凡な能力と不思議な力を発揮できる』からこのことについて深い意味を学ぶことになった」と書き遺していました。―これはもっと単純に言えば、アメリカの自然学者ジョン・バローズの名言「飛び込めば網が現れる」という事ではないかと思います。
この考え方が向こう見ずな考え方を促進するものであるとは思いません。しかしあなたが大志を実現させるには、最終的には必要なものは必要な時に満たされると信じて行動に移さなければならないという重要なポイントを突いていると思います。これこそが信仰の最も純粋な形といえるでしょう。
個人的にもこの様な奇跡を何度も目にしてきました。事実、トーマス・ネルソンのCEOの座を退いて一週間が経過した今現在もそのような奇跡を体験しながら生きています。
(本コラムは米クリスチャンポストから翻訳しています)
トーマス・ネルソン 会長(前CEO) マイケル・ハイアット氏
トーマス・ネルソンは世界最大のキリスト教書籍出版会社である。米国内では書籍出版貿易で第7位となっている。同氏のブログ(http://michaelhyatt.com)では、指導者として必要な福音的思考法やウェブサイトによる効果的なビジネス法、出版業界に関するトレンドなどを紹介している。