欧米文化においては、いつも忙しくあわただしくしている状態が日常的に見られますが、私たち欧米文化の価値観の下にある人間は、いつも「より豊かに」なるために忙しくしています。そうやって忙しくしているときに、私たちが特別な存在であり、重要な仕事をしていると感じます。私自身もかつては、私の成すことによって私の価値を認められるために熱心に常に忙しく働こうとしていました。しかしついに私はいつも自分が忙しくやっていることが、私が最も達成するべき重要なことのために成されているわけではないことに気づきました。
数年前、この様に私がただ忙しくしていることが私の家庭にどのような影響を与えてきたかを認識するようになりました。私の一日は、まずベッドを整えて、電話に出ているうちに食器を洗う必要に気づき、食器洗い機に食器を入れているうちに、さらに夕食のために食品を解凍しておく必要に気づき、そのようなことをしているうちに郵便物が来ているのに気付き、郵便物に対する返信をする必要があることに気づき、急いで郵便局に行って帰ってくる…すると家ではベッドは半分整えられ、食器も半分整えられている状態で…そのようなバタバタとした落ち着かない生活を送っておりました。そのような日常をあまり楽しんではいませんでした。すべての日常でするべき動作にストレスや時間に追われるプレッシャーを感じていましたし、すべてのことにおいて集中力が欠けていました。日常の動作をスローダウンする必要性を感じました。
このような日常生活を克服すべく、神様が私に本当に役立つ聖書の御言葉に導いてくださいました。Ⅰペテロ5章8節に「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています」と書かれています。この御言葉が、私の生活において、あまりにも多くの事を抱えることで、悪魔に生活を乱されないようにするのに役立ちました。この経験から「あまりに多くの事を抱え煩雑になることは、悪魔が自分の生活の領域に踏み込んでくることである」ということができることに気づきました。
食い尽くすべきものを捜し求めながら歩き回っている悪魔から身を守るには、まず私たちの日常生活を再点検する時間をとり、私たちの生活において身を慎み、目を覚ますことができずにいる領域がないか点検することが必要です。もしそのようにできていない領域があれば、そこが敵である悪魔が私たちの生活に侵入してくる開いたドアとなっていると言えます。しばらくの間はそのドアを開けたままにしておいても問題はないかもしれませんが、ずっと開けっ放しにしておくと、悪魔が侵入してきてあなたの生活を食い尽くしてしまいます。
もうひとつ、私たちが知るべきことは、「生活の上で本当に重要なことは何か、何のために時間を費やすべきか?」ということです。聖書には「神の国は私たちのただ中にある(ルカ17・21)」と書かれてあります。そして神の国は「義と平和と聖霊による喜び」のある場所です(ローマ14・17)。キリストにあるあなたのアイデンティティを知り、神と良い関係性を築くことであなたのただ中から神の国が生まれてきます。そのことであなたと隣人との間にも良い関係性を築いていくことができます。本当の平和と喜びは私たちが自分自身を恥じることなく、罪悪感や他人からの誹謗中傷の下に臆病になって生活するのではなく、心に神の国をもって日常生活において神と隣人に対し良き健全な関係性を築いていくことによってやって来るのです。
私たちが焦点を置くべき3つの関係性は、
1.神様 - 神様とどのような関係性を築いていきたいと思われますか?あなたが願うだけ神様と近づくことができるのです。神様とあなたの関係性を発展させるために時間を費やしましょう。
2.あなた自身-あなた自身とどのような関係性を築いていきたいと思われますか?あなた自身のありのままの状態を正直に知ろうとする時間をもってください。神様が願うあなたとなれるように、神様に依り頼んであなた自身が変えられるように祈ってください。そしてあなた自身を他人と比較しないでください。
3.隣人-隣人とどのような関係性を築いていきたいと思われますか?イエス様は自分自身を愛するように隣人を愛しなさいと命じています。あなたの人生において出会う人々と積極的に愛の関係を築いていくようにしましょう。
私たちがいち早くなにか社会的地位を得るようにと促す欧米文化によるプレッシャーに囲まれる中にあって、私たちはまず神様を第一に求めるように意識する必要があります。「神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます(マタイ6・33)」と書かれてある通りです。私たちは常にプレッシャーやストレスに覆われながら、他人に特別な存在として認めてもらうために忙しく働き続けるようには創造されていません。あなたの成すことに関わらず、あなたという存在が神様にとって重要な存在なのです。
ですから忙しさから自分を解放して、あなたの生活を再点検する時間をもってください。もしあなたがとても忙しく過ごしていて、本当にするべき重要なことを見過ごしていたのならば―日常生活にあなたが管理される生活を止めて、あなた自身の日常生活をあなたが管理する生活を始めてください。そうすれば、「Less is More(より少ないことはより豊かになることである)」という格言が真実であるということに、あなたも気づくようになるでしょう。
(このコラムはジョイス・マイヤー・ミニストリーズから翻訳しています。著作権はジョイス・マイヤー・ミニストリーズに属します)
ジョイス・マイヤー氏:世界的に活躍する実践的な聖書教師の一人として知られている。ニューヨーク・タイムズのベストセラー著者でもあり、彼女の著書は数百万人もの人々がイエスキリストを通して希望を見つけ回復の道を歩む手助けをしている。
ジョイス・マイヤーミニストリーズを通して、彼女は数百ものテーマについて講演を行っており、80冊以上の著書を執筆、80カ国語以上の言語に翻訳され出版されてきた。
ジョイス氏は年間15回近くの大会を導き、神様の御言葉による実践的な原則を聴衆に教え、日常生活を神にあって人々が真に楽しめるように導いている。テレビ・ラジオ番組にも出演しており、「Enjoying Everyday Life(毎日を楽しむ)」がオンラインでいつでも視聴可能(英語)となっている。