日本福音同盟(本部・東京・千代田)主催の特別セミナーが14日、千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャンセンターであった。シンガポールで2000人以上の信徒が在籍するカベナント福音自由教会の主任牧師、エドモンド・チャン牧師と妻のアン牧師が主題「説教と牧会」で講演した。エドモンド・チャン牧師が「自分の論理や知識によらず、神の召命に従って生きることを求めて欲しい。これが指導者の条件」などと語った。牧師、神学生など約60人が参加した。
アン牧師が午前の部で講演し、セルグループの形成、運営、活動について説明した。「福音主義の教会の形成にはセルグループが必要。セルは信徒同士を親密にさせ、所属欲求を満たし、アイデンティティの確立を助ける。セル内ではメンバーに役割を与えてほしい。」「セルリーダーを育てることが大切。信徒の中にはリーダーの賜物(資質)を持っている人たちがいる」などと話した。
エドモンド・チャン牧師は午後の講演で「祈りと神の導きが無くては、私たちは人を導くことが出来ない」「知識に富み賢いだけの人ではない。イエス様に熱心に従う指導者が求められている」などと述べた。苦難に直面した指導者が神の導きや宣教の成長を優先せず、私欲に従って代替を求めることは危険と指摘。また、伝道、デボーション、聖書朗読こそ教会成長の基礎だとした。
チャン牧師は、教会が霊的に健全でなければ説教に効果はないなどと述べ、教会形成において組織構造だけでなく、霊的改革が不可欠と指摘した。「新会堂建設の決心に至るまで失敗を恐れて長年献金を募らなかった」と語り、「神を信じて祈り続け立ち上がったとき、信じられないところから献金が寄せられた」と自身の体験を語ると、「(信仰は)神を無視して自分で行き過ぎた計画を立てることではない」とした上で、「神に祈り続け、決意するときは信仰によって毅然(きぜん)とした態度で実行することが大切」と強調した。会堂建築のために過去に3度、家屋を含む全財産を捧げたことも明かした。「(霊的に)若かった頃は信仰が薄く、神から『ただ信じて進みなさい』と言われるまで動けなかった」と過去を振り返り、「お金は神の御国にとって問題ではない。祈りこそ答え。」「教会が成長する様子を見て刺激を受ける指導者より、(状況が悪くても)神の御心を感じて立ち上がる指導者になろう」と日本の教会に対し励ましの言葉を述べた。