ジョン・ウェスレー生誕300年記念講演会が12日、日基教団渋谷教会(藤村和義牧師)で開催され、ウェスレー研究の第一人者で米アズベリー神学校の神学部長ケネス・キングホーン氏が講演した。
キングホーン氏は昨年、ウェスレーの標準説教の現代訳を完成させた。講演で同氏はウェスレーが説教を重要視した理由として、「使徒の働き」の初代教会の伝道者がみことばを宣べ伝えることで人々を呼び、そこに神様の力と祝福があったことを挙げた。ウェスレーの説教は、古来から語られている福音の基本的かつ普遍的なメッセージを、難解な神学用語を避け、一般的かつ明快な言葉で繰り返し語っていた。だが、これは複雑な神学を理解しているからこそ成しえた業であると強調した。
キングホーン氏は、教理の正しさを求めるあまり、神と人との愛の関係や隣人との愛の関係を見失っている空気のような教会が多いと指摘した。プロテスタント教会の牧会者が神学的知識以前に神との健全な関係を築き、神の愛について語り続けることで、どの時代においても世の癒しとして確立されると述べた。
同氏は今回、関西聖書神学校の夏期セミナーのために来日しており、東京では今回限りの講演だった。