多くの人が悩みを抱えて生活する現代社会で、教会の中にはカウンセリングセンターとして奉仕するところもある。自己理解や相談指導のためのカウンセリング講座を行っているところもあり、充実した内容を提供している。
相談所に寄せられる悩みとして、一般の人からはうつ病、神経症、不登校や子育てなどに関することが多く、クリスチャンからは信仰や教団内の人間関係に関することが多く寄せられているという。
キリスト者のカウンセラーの目から見た現在の日本社会は、「神の不在」で価値観が崩壊しており、カウンセラーは聖書を用いたカウンセリングで平安と喜びを与えて癒していく必要がある。経済的には豊かであっても、心に傷を負い、助けを望んでいる人が多くいる。
価値観を聖書と一致させたカウンセリングは、聖書のみことばを通してイエス・キリストへの信仰を育てる。例えば、いじめは、隣人愛の心で互いに愛の関係を結んでいけば起こることはない。また、うつ病も大抵は薬での治癒が可能とされているが、回復の根底には投薬で得ることができないものがあり、聖書を通して神を慕い求める生活を見出すことで乗り越えられるようになる。神への愛を信仰によって信じ、主イエスと共に歩む生活を続けることで、どんな問題も乗り越えられるという。
カウンセラーによると、日本はその慣習や文化の背景から、自分の弱い部分を誰かに相談できず、気持ちを表に出せない環境にあるのだという。人との心からの触れ合いに乏しく、他人に対する警戒心が強く孤立しているために視野が狭くなってしまい、心の問題が生じ、自殺に至る場合も少なくない。
その原因の一つに会話不足がある。日本は心よりモノを大切にすることが多く、形を過度に尊重するため、心に歪みが生じているのだという。
人間は共同体の中で生きているので、他人の気持ちを思いやれる人たちが社会を導いてほしいとのこと。そのためにはまず、家庭や地域といった小規模の共同体から再確認していくことが大切だという。
カウンセリング・ブームとはいえ、相談員と施設の整備には今後多くの時間を要する。教会が今後精神科医やカウンセラーと協力し、聖書に基づいたカウンセリングを自発的に取り組んでいくことが期待されているとのこと。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
映画「パッション」続編、今年8月にもイタリアで撮影開始へ
-
英国で「静かなリバイバル」 教会の礼拝出席率が増加、Z世代の男性で顕著
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
聖職者への唾吐き、教会施設への攻撃など イスラエルで反キリスト教事件が増加
-
Gゼロ時代の津波石碑(2)悪人正機説の起源 山崎純二
-
一日一生、一日一笑、一日一勝 佐々木満男
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(3)心を神に向ける 三谷和司
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(1)一切は空 臼田宣弘
-
2025度「津田梅子賞」募集開始 女性の未来開く個人・団体、先駆的な女性らを顕彰
-
日本キングス・ガーデン理事長の宇都宮和子氏死去、81歳
-
映画「パッション」続編、今年8月にもイタリアで撮影開始へ
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
「カトリックジャパンニュース」がスタート カトリック新聞は休刊
-
英国で「静かなリバイバル」 教会の礼拝出席率が増加、Z世代の男性で顕著
-
キリシタン弾圧を描いた遠藤周作の代表作『沈黙』 絶望の淵で宣教師が得た答えとは?
-
「森は海の恋人」の畠山重篤さん死去、81歳
-
東京で初の「赤ちゃんポスト」「内密出産」 賛育会病院が開始、国内2例目
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(3)心を神に向ける 三谷和司
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(1)一切は空 臼田宣弘