去年1年間で自殺した人は3万2525人と前年より227人増え、8年連続で3万人を越えたことが警視庁のまとめで明らかになった。
5月にNPO法人を取得した白浜レスキューネットワーク(理事長:藤薮庸一牧師、和歌山県)の藤薮師は「自殺を考える人が私のところに来るとき、小学生時代学習についていけなかったことが傷になり自殺願望のきっかけになることが多い」という。現在、傷口にばんそうこうを貼るだけのような活動はあるが、それではまことの予防、解決にはならないと同師は語る。
その現実を懸念し、これまでも自殺救済活動、生活自立支援活動、自殺予防活動などを積極的に行ってきた白浜レスキューミッションで、新たな自殺予防策活動である小学生向けの学習支援が7月6日からスタートした。
この学習支援では、家で宿題を教えてもらえずにつらい思いをしている子どもたちを集め、学習指導などが行われている。学習指導だけではなく、子どもへの刺激を提供するためにボランティアによる本の読み聞かせや、思いきり遊ばせることにも力を入れているという。
同師は「この方法では先が長いように見えるが、子どもたちの20年先30年先を見るとき有効な自殺予防の役割を果たすだろう」と語った。
この学習支援活動は、和歌山県が団塊世代を用いた事業を募集していることを知った藤薮師が応募し、採用に至った。県との協力プログラムにより、県からの援助もあるという。期間は来年の3月まで。
学習支援の参加者はノンクリスチャンが殆どだが、その中から教会学校に導かれる子どもたちもいるという。
教会への架け橋を作るNPOの働きに注目が集まる。