戦争責任告白に関するシンポジウムが20日、牛込聖公会聖バルナバ教会で開催された。日本クリスチャンアカデミーが主催しNCC、JEA加盟教団・教会などから50名が参加した。
シンポジウムは「戦後60年と日本のキリスト教シンポジウム」と題され日本ホーリネス教団、日本キリスト教団、日本バプテスト連盟からパネリストを募り、それぞれの教派での日本における戦争責任に対するこれまでの取り組みと、これからの展望について語られた。
パネリストは日本ホーリネス教団から上中栄牧師(鵠沼教会)、日本キリスト教団から増田琴牧師(巣鴨ときわ教会)、日本バプテスト連盟から吉高叶牧師(栗ヶ沢教会)が講演に立った。増田師は以前NCCの書記を務めており、NCCの立場からの見解にも触れた。またコーディネーターとして日本基督教団東駒形教会の戒能信生牧師が参加。教団の歴史編纂にかかわった立場から豊富な知識を元に語った。
パネルディスカッションの後にはパネリスト同士の公開会談や質問会などが設けられ、参加者の活発な意見が交わされた。
日本クリスチャンアカデミーは過去3回にわたって「はなしあい」プログラムを実施。前回までは戦争責任に関する想起・和解・協働の3つのテーマに沿って進められ、第4回目となる今回は全体のまとめ。日本クリスチャンアカデミーでは「過去の歴史を絶えず想起し、アジアとの和解をめざし、様々な人々との協働の場を求めて」を合言葉に、教派の違いを超えて戦後というひとつの課題に取り組んだ。
今回企画、立案、運営に主導的な役割を果たした日本クリスチャンアカデミー所長の大津健一氏は立案に際し、未来への展望が開けるように戦争体験がなくとも若手の指導者に講演を要請したという。大津氏は今回のディスカッションを通して、どんな時代にあってもキリスト教信仰に立って生きる大切さを改めて感じたと語った。
大津氏は戦争責任について日本のクリスチャンに呼びかけている。「私たちクリスチャンが過去をしっかりと踏まえることなしには未来が見えない。悔い改めるところは悔い改めて未来へと進むことが必要です」