エチオピアの食糧不足により子供たちの間で栄養失調による餓死が広まっているとユニセフ(国連児童基金)が26日(日本時間27日)報告した。危機的な飢餓状態はアフリカ全土で近年急激に拡大している。5歳以下の死亡率は特に高く、降雨がないことと慢性的な水不足が原因で事態はさらに悪化するとユニセフは懸念する。
同国では戦争、飢饉、干ばつのため20万人が難民生活を余儀なくされている。ソマリ地区のハーティシェクキャンプでは今年40人の子供が栄養失調で死亡した。このキャンプへの食糧支援は数カ月なかったという。ソマリ地区の西に位置するオロミヤの治療配給センターは先月、今年1月の5倍、120人の栄養失調児を受け入れた。
ハーティシェクキャンプは1980年代、内紛が発生した際に開設され、短期間で50万人以上が移住した。キャンプは昨年公式的に閉鎖されたが現在も6000人がその場に留まっているという。
ユニセフの地区担当プログラム責任者エリック・デューペアー氏は「今後、食糧支給がなければ食料流通の状況は悪化の一途をたどることになる」と述べた。資金不足で支給が中止される可能性も出てきており、「支給が滞れば、軽度の栄養不良児にも被害が拡大する」との懸念を示した。
ユニセフはすでに同国の食糧緊急事態を宣言しており毎日2台のタンカーで飲用水を供給。政府はキャンプ居住者に対し自発的に家に帰る準備をするよう勧告している。