ジュネーブで開催中の国連人権委員会は14日、北朝鮮による日本人拉致などの人権問題を非難し改善を促す決議を賛成多数で可決した。各紙が14日相次いで報じた。
日本を含む人権委メンバー53カ国のうち賛成は30カ国。反対は中国やロシアなど9カ国だった。韓国など14カ国が棄権した。
一部の報道によると、北朝鮮は採択に対して「今後も人権委が北朝鮮非難の場として乱用されるならば、あらゆる手段を講ずる用意がある」と批判した。
決議は北朝鮮の人権問題について、拉致被害者の「早期帰国実現」との具体的表現に踏み込んだ内容。北朝鮮の対応に問題がある場合、国連総会で北朝鮮問題を取り上げるべきだとした。
米国防省が毎年発表する国際宗教自由に関する年間報告書は、北朝鮮によるキリスト教徒に対する弾圧が日常的に行われていると主張している。昨年秋の報告書によれば、北朝鮮では、キリスト教徒たちが聖書を読んだり神についての話しをしたりする理由で投獄され、拷問や生体実験の対象となっている可能性が高いという。
報告書は複数の脱北者との談話をもとに「徹底した言論統制が行われ、弾圧の現状を報告できない状態」とまとめ、宣教師やキリスト教徒を逮捕するために申告褒賞金の上乗せもあった、と主張している。