アフリカ横断一斉予防注射キャンペーンの第2段階が現在進行中であると8日、ユニセフ(国連児童基金)が報告した。ポリオ流行が続くなか、23カ国がアフリカ大陸を横断して約1億人の子供たちに予防接種を受けさせる運動に参加している。
ユニセフによると、ポリオは未だアフリカ全土に蔓延し、時間の経過とともに子供たちへの脅威としてその勢力を増している。通常、この時期は季節的に伝染力が低下するが、今年は例外という。7月から9月にかけてポリオは猛威を振るうため、5月中に可能な限り予防接種を実施し、ウィルスの蔓延を食い止めるしかない。
ユニセフは、この運動の成否は各国の指導者にかかっているとして啓発を呼びかけている。再感染に迅速に対応するため、エチオピア政府および人道団体は3月上旬に会合した。また、アフリカ各国はリベリア、コートジボワール、スーダンなど治安の悪化した国境の保護の強化を計画している。
ユニセフ報道官レイチェル・カーターは、2000、01年の予防接種キャンペーンで3カ国を除くすべての国でポリオの蔓延が阻止されたと評価。今年のポリオ伝染も「阻止してしかるべき」として、キャンペーンの足かせとなる「政治的な自己満足」に陥ることなく、各国指導者が強いリーダーシップを発揮することが大切と強調した。