北朝鮮は、声明の中で、核兵器を製造したと発表した。自衛目的のためと主張している。朝鮮中央通信社(KCNA)が伝えた。ブッシュ政権が北朝鮮を孤立させようとしていると主張した上で、核問題をめぐる6カ国協議への参加を見合わせる意向を示した。
声明は、「対話と交渉を通じて問題を解決しようとする我々の原則的な立場には変わりはない」「米国が核のこん棒を振り回して我が制度を抹殺する企図を明白にした以上、人民が選択した思想と制度、自由と民主主義を守るため核兵器庫を増やす対策をとる」と表明した。(朝日新聞)
北朝鮮による拉致被害者の家族会代表の横田滋さん(72)は、この声明について「過剰に反応すべきではない」と述べ、「これまでも北朝鮮はいろんなことを言ってきた。真意をよく見極める必要がある」と慎重姿勢を示した。北朝鮮が娘のめぐみさんのものと主張する遺骨の鑑定結果をめぐり、日本政府が反論文書を提出したが、「(核兵器と)拉致は分けて考えるべき」と話した。
ロイター通信は11日、マクレラン米大統領報道官が10日北朝鮮が核兵器保有を公式に初めて宣言したことに対し、「6カ国協議へのコミットを続ける。北朝鮮の核問題で平和的・外交的解決を目指す」と述べた、と伝えた。
中国の孔泉・外務省報道局長は10日、「我々は朝鮮半島の非核化と半島の平和維持を一貫して主張している。6カ国協議が続くことを希望している」とした。
自民党の安倍晋三幹事長代理(党拉致問題対策本部長)は10日、北朝鮮の声明について、「こういう脅しによってわれわれが経済制裁をちゅうちょすることはない。逆に(制裁発動の)環境が整備されたと言ってもよい」と強硬な姿勢を示した。
武部勤幹事長は「いちいち過敏に反応せず冷静に真意を見極める必要がある」としながら「核兵器を持っているとみるのが常識的ではないか。安全保障は常に最悪のことを想定して対応を考えなければいけない」と表明。